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クルーズ客2人死亡 新型肺炎、県内87歳男性も

社会 | 神奈川新聞 | 2020年2月21日(金) 01:45

横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」
横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」

 横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で起きた新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の集団感染で、厚生労働省などは20日、乗客の日本人2人が死亡したと発表した。県内在住の87歳男性と東京都在住の84歳女性で、乗船者の死亡は初めて。船内で感染したとみられ、国内で報告された死者は3人となった。横浜市と相模原市でもそれぞれ1人の感染が新たに判明した。 

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 このほか北海道や沖縄県などでも感染者が確認され、クルーズ船の検疫事務作業に従事した厚労省と内閣官房の職員も感染が判明。国内で報告された感染者は計728人となった。

 厚労省や県によると、死亡した87歳の男性は10日に発熱し、翌11日に肺炎の初期症状がみられPCR検査を実施。同日中に船から搬送され、県内の病院に入院した。12日に陽性と判明し15日に呼吸状態が悪化、20日午前6時すぎに死亡した。気管支ぜんそくなどの持病があったという。

 84歳の女性は5日に発熱し、6日に下痢をしたため船内の医師が診察。ウイルス検査や救急搬送はされなかった。発熱が続き12日に下船し入院、13日に陽性と判定された。その後も症状は改善せず、20日午前9時ごろ死亡した。

 乗客男性の死亡を受けた県の緊急会見で、黒岩祐治知事は「残念でならない。亡くなった方に哀悼の意を表したい」と述べた上で、「結果的には、徹底的な感染防止策ができなかった。船内で隔離している間に新たに感染が広がったということは否定できない」とも語った。

 一方、厚労省幹部は「潜伏期間を考えると客室待機などの感染防止策を始めた5日より前と考えるのが自然だ」と説明。高齢者らを長期間船内にとどめたことに対する批判に反論した。

 知事はまた、感染した乗客らの受け入れを拒む医療機関があることを明かし、風評被害の搬送作業への影響に懸念を示した。

 クルーズ船の乗客乗員は約3700人。厚労省は3日から同船で大規模な検疫を実施。20日までに634人の感染が確認された。2週間の健康観察期間を経た19日、検査で陰性の人から下船を始めていた。

 
 

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