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日常の気付きを落語に 三遊亭粋歌が3月関内ホールに登場

カルチャー 神奈川新聞  2020年02月18日 13:18

着物は「落語の内容に合わせたもの」を選ぶ。男着物を着る女性落語家もいるが「ピンクや黄色を選べば可愛くアレンジもできるし、その点は自由度が高いですね」=東京都内(撮影・立石祐志)
着物は「落語の内容に合わせたもの」を選ぶ。男着物を着る女性落語家もいるが「ピンクや黄色を選べば可愛くアレンジもできるし、その点は自由度が高いですね」=東京都内(撮影・立石祐志)

 実力ある若手落語家が登場する「関内寄席ねくすとvol.8」=写真=が3月28日、横浜市中区の関内ホールで開催される。落語評論家・広瀬和生が選ぶ、二つ目の落語家4人が登場し、存分に芸を披露する。トリを務める三遊亭粋(すい)歌(か)に、落語に懸ける思いを聞いた。

 食品会社の社員として人事の仕事に携わっていた粋歌。20代半ばから江戸落語の世界観に魅了され、2005年、28歳で三遊亭歌る多に弟子入りした。子連れ出勤が話題になっていたことから創作した「働き方の改革」や、コンビニでの迷惑行為問題から発案した「コンビニ参観」など、生活する中で感じたことや、会社員時代の経験を生かした独自の新作落語が評価され、近年はもっぱら新作落語を演じている。

 「以前は古典と新作を平行して取り組んでいましたが、真打ちに昇進するまでは、自分の土台を固めようと思って新作をメインに演じています。もちろん古典落語も好きですし、古典を学ぶことによってテクニックや構成力を新作に生かせます。真打ちになって落ち着いたら、改めて古典落語に取り組みたいですね」と今後の展望を語る。

 28日に披露するのは、「会社員あるある」エピソードが満載の「影の人事課」。会社勤めをしている人も、そうでない人も楽しめる作品だ。「働き方やオフィス事情はどんどん変化しているので、今後は、平成の職場の風景が伝わるノスタルジックな作品になっていくかもしれません」

 「女性ならではの落語」と評されることも多いが、「女性目線」を意識してはいないという。「自分の落語に登場するのは『こじらせ女子』が多い。女性を代表した視点とはとても言えないし、こんな人いるよね、と感じて笑ってもらえたら。古典落語を演じる場合も自分らしさが出るように工夫しますが、それは落語家が全員やっていること」と分析。その上で「諸先輩のおかげで、若手の女性落語家が今とても増えていて、それぞれが独自の工夫を凝らして自分の芸を磨いています。今後どんな女性落語家が出てくるか楽しみにしていてほしいですね」と語る。

 この企画の常連だった柳亭小痴楽、柳家わさびは昨年真打ちに昇進、早くも人気を博している。目指す落語家像を聞くと「寄席で、どんな順番で出てもお客さんを満足させられるようになりたい」と力を込めた。「落語を好きになった一つの理由は、寄席という場所が魅力的だったから。いつ行っても、落語や演芸を見て大笑いできる。多くの師匠たちが受け継いできた古典落語の中にあっても、お客さんに笑ってもらえる新作落語を一つでも多く演じていけたら」



 関内ホール・小ホール、14時開演、全席指定2千円。チケットは同ホールチケットカウンター☎045(662)8411。


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