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やまゆり園 事件考 公判から
植松被告に死刑求刑 検察「類例なく残虐」

社会 神奈川新聞  2020年02月18日 05:00

横浜地裁
横浜地裁

 県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で2016年7月、入所者と職員計45人が殺傷された事件で、殺人などの罪に問われた元職員植松聖被告(30)の裁判員裁判の論告求刑公判が17日、横浜地裁(青沼潔裁判長)であった。検察側は「被害結果は類例を見ずに極めて重大。冷酷かつ残虐で卑劣な犯行だ」として、死刑を求刑した。

【事件発生から公判まで】やまゆり園事件考~相模原障害者殺傷

 公判で被告は事実関係を認めており、争点は被告の刑事責任能力の有無と程度に絞られている。弁護側はこれまで、大麻など薬物の乱用に伴う精神障害の影響で被告が心神喪失か心神耗弱の状態だったとして、無罪か減軽を求めている。19日に弁護側の最終弁論と被告の最終意見陳述が行われ公判は結審する見込み。

 検察側は論告で、被告を精神障害ではなく、人格の偏りに分類されるパーソナリティー障害と診断した鑑定医の所見について信頼性の高さを強調。「意思疎通の取れない障害者を殺す」との動機は、こうした元来のゆがんだ思考に、「園での勤務経験や見聞きした世界情勢が影響して形成された特異な考え方に過ぎない」と述べた。

 その上で、凶器や拘束バンドを事前に準備し、襲撃中には致命傷を負わせやすい殺傷方法に途中から変更するなどした点を指摘。そうした計画性、一貫性、合理性から「善悪を判断し行動をコントロールする能力が被告にあることは明らかで、大麻の影響は小さかった。完全責任能力は認められる」と話した。

 独善的な主張を繰り返す被告には、「障害者を一人の人間として扱い、権利を尊重する社会一般の価値観とは相いれない。反人道的かつ反社会的で酌量の余地は全くない」と指弾。「更生の意欲も可能性も皆無だ」と断じて、結果の重大性以外の要素を検討しても極刑以外の選択はあり得ないとした。

 被告は黒のスーツに白のワイシャツ姿で出廷。死刑を求刑された際には首をかしげるようなしぐさも見せたが、検察官を見据えた表情が大きく変わることはなかった。

 起訴状によると、被告は16年7月26日未明、やまゆり園に侵入し、包丁で突き刺すなどして入所者19人を殺害したほか、職員2人を含む26人に重軽傷を負わせた、とされる。


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