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企業博物館、みなとみらいに集積 オフィス街の魅力向上

経済 神奈川新聞  2020年02月18日 05:00

昭和期の車両「デハ236号」や巨大ジオラマが鉄道ファンらの心をくすぐる=京急ミュージアム
昭和期の車両「デハ236号」や巨大ジオラマが鉄道ファンらの心をくすぐる=京急ミュージアム

 横浜・みなとみらい21(MM21)地区で「企業博物館」の集積が進んでいる。京浜急行電鉄(横浜市西区)と資生堂(東京都)が昨年から今年にかけて相次いで開業。「古顔」となった三菱重工業(同)や日産自動車(横浜市西区)は新たな仕掛けに工夫を凝らす。名だたる大企業のPR拠点がひしめく最前線をのぞいた。

 「小さな施設だが、子どもの大きな笑い声を響き渡らせたい」。1月21日に開かれた「京急ミュージアム」のオープニングセレモニーで、京急の原田一之社長が抱負を述べた。

 本社1階の約200平方メートルに収容した博物館のキーワードは「本物を見て、触れて、楽しむ」。昭和期を彩った車両「デハ236号」の実物をはじめ、沿線風景を模した巨大ジオラマ、実機の運転台を使ったシミュレーターが並ぶ。

 腐食していたデハ236号の車体はグループ社員らが総力を挙げて修復し、鮮やかな赤をよみがえらせた。旧型の車内扇風機や案内図、駅舎のごみ箱といった細部にまでこだわって往時を再現し、鉄道ファンのハートをつかんでいる。

 すぐ隣の街区では資生堂が「グローバルイノベーションセンター」を構える。ミュージアム機能を備えた研究開発拠点として、昨年4月に本格稼働した。

 館内に入ると、幅約20メートル、高さ約5メートルの巨大ディスプレーが目を引く。発光ダイオード(LED)技術を駆使し、動物などの動画を高精細かつ大迫力で表現。近隣の保育園が散歩コースに組み込むほど、子どもたちの人気を集める。


来館者の顔を4系統に分類し、人工知能(AI)が最適なコスメを提案する=資生堂グローバルイノベーションセンター
来館者の顔を4系統に分類し、人工知能(AI)が最適なコスメを提案する=資生堂グローバルイノベーションセンター

 2階には化粧品メーカーのノウハウを凝縮した装置を用意。顔の輪郭や頰の長さなどを人工知能(AI)が識別し、最適な口紅の色合いからチークやアイラインの有無まで助言する。コスメの効能を理科の視点から分かりやすく紹介するコーナーも設けた。

 グローバル広報部の宋由美さんは「『美』にまつわる展示をちりばめている。自社の世界観を存分に感じてほしい」と話す。

 今月24日にリニューアルオープンを控えるのは、三菱重工が1994年に開設した「三菱みなとみらい技術館」だ。構成する4区画の中核部分を刷新。街並みのイラストに触れると映像や音が飛び出す「タッチウォール」を導入し、多彩な事業領域をアピールする。

 日産グローバル本社1階のギャラリーには昨年9月、歴史をテーマに据えたゾーンが新設された。往年の車両を順次公開し、その特徴を大型スクリーンで解説。過去の自動車専門誌が読めるライブラリーもしつらえた。

 県内外から企業の拠点進出が加速するMM21地区。消費トレンドが「モノからコト」へとシフトする中、体感型の仕掛けを中心とした企業博物館が増えることで、オフィス街としての魅力が一層高まりそうだ。


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