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横須賀市内全体「軍港資料館」に 点在する近代化遺産周遊

政治行政 神奈川新聞  2018年03月14日 10:42

米海軍横須賀基地内にあったティボディエ邸の復原図 (横須賀市提供)
米海軍横須賀基地内にあったティボディエ邸の復原図 (横須賀市提供)

 横須賀市は、近代化遺産が点在する市内全体を「軍港資料館」と捉えて、周遊する仕組みづくりを始める。かつて米海軍横須賀基地内にあった国内最古級の洋館「ティボディエ邸」の部材を活用して、情報発信の拠点となるガイダンスセンターをヴェルニー公園(同市汐入町)に整備。2020年秋の開館を目指す。

 ガイダンスセンターを情報発信の小規模な中核拠点として、市内に分布する歴史文化資源を「サテライト」と位置付ける。大型施設を整備するのではなく、各地を巡る「ルートミュージアム型」とする。日本遺産の構成文化財になっている千代ケ崎砲台跡、記念艦三笠など20カ所ほどがサテライトの候補で、今後駐車場や交通手段などの整備に取り組む。

 ガイダンスセンターには寄贈された部材を使うが、ティボディエ邸を再建するのは耐震面などで困難と判断。外観を再現し、できるだけかつての姿に近付ける。使用した部材は来館者が見えるよう配慮し、展示物としても活用する。情報発信の拠点として、仮想現実(VR)技術を使ってサテライトを紹介するコンテンツなどを整備する。

 市は、軍港資料館などの整備費として、2018年度予算案に約3870万円を計上。上地克明市長は2月14日の会見で、「軍港遺産には、単体だけでなくストーリー性が必要。横須賀は歴史を持っていながら、ストーリーがないままだった。点と点を線でつなぎたい」と話した。

 ティボディエ邸は、横須賀製鉄所の副首長だったフランス人技術者の官舎。明治初期の起工とされ、戦後は米海軍横須賀基地内で集会所として使われていた。老朽化で03年に解体されたが、復元することを前提に米軍側が市に部材を寄贈した。

 軍港資料館を巡っては、12年にティボディエ邸の復元を求めた市民団体「横須賀軍港資料館を作る市民の会」による請願を市議会が採択し、市が検討部会を設置。大型施設の整備を前提とした単館型と、ルートミュージアム型を候補に施設の在り方について議論を重ねてきた。

 昨年の報告書では、単館型を理想としつつ、事業費や用地取得に難があると指摘。「他の旧軍港市に勝る特色」として、点在する近代化遺産の活用からルートミュージアム型を有力候補に挙げていた。


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