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海岸近く移転、平塚市花水台保育園で津波訓練
【震災7年】生かせ教訓 園児と共に高台へ

話題 神奈川新聞  2018年03月11日 11:42

駆け足で仮設園舎から高台へと避難する園児や保護者ら=平塚市花水台
駆け足で仮設園舎から高台へと避難する園児や保護者ら=平塚市花水台

 施設の老朽化に伴う建て替えにより、海岸から約200メートルの仮設園舎に移転した平塚市花水台保育園が、東日本大震災の教訓を生かした津波避難訓練に取り組んでいる。先月27日には移転後初の訓練を実施。参加した園児105人と保護者らは、緊張感をみなぎらせて高台へと駆け込んだ。

 訓練は、午前10時に地震が起き、高さ9・6メートルの津波が発生からわずか6分で押し寄せる最悪の事態を想定した。アナウンスが流れると、園児らは一目散に机の下へ。続けて津波注意報が発令されたとして乳児は保育士らが背負い、1歳児までは手押し車に乗せて慌ただしく外に出た。

 北東に400メートル離れた市立なでしこ小学校が避難先だが、最短ルートは取らず真っ先に向かったのは、北にある高台の浸水区域外。最短だと海から真っすぐ伸びている道を通らなければならず、鈴木裕理子園長は「一秒でも早く高い所へ逃げるためにルートを変えた」と話す。

 鈴木園長らは、2月上旬にあった東日本大震災の被災者らから教訓を学ぶ催しに参加。そこでの訓練などを通じて、手押し車を未舗装の園内ではなく園外の道路にスタンバイさせ、窓越しに園児を乗せて避難を急ぐ方法などを保育士らと話し合ったという。

 これまで毎月防災訓練を実施してきた同園だが、移転後は初めて。途中、泣き出す子どもや不安そうに手を引かれる園児もいたが、おおむね6分で安全とされる浸水区域外の高台へたどり着いた。

 築50年になる園舎の解体・建て替えに伴い、建てられた仮設園舎は国道134号近くの市有地にある。保護者からは海岸近くに移ることに懸念の声も上がったが、近隣の高層マンションや小学校の協力を得ながら避難体制を整えてきた。

 5歳の娘が通園するという後藤政信さん(43)は「みんな走るのが速くて驚いた。園舎が海側に移るのは不安だったが、これだけしっかり訓練していれば安心できる。この先も訓練の精度を高めていってほしい」と話す。鈴木園長は「みんな一生懸命に逃げてくれた。時間帯や職員の少ない場合の対応など、状況を変えてやってみたい」と今後も見据えた。


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