新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)を巡り、横浜市消防局の30代男性救急隊員が感染していたことが15日、明らかになった。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の集団感染で、陽性反応が出た患者を病院へ搬送する業務に携わっていた。
林文子市長は「重大なことと受け止めている。感染経路など必要な事項を調査し、市民の不安、心配を最小限にするため最善を尽くす」とコメントした。
市や県によると、同隊員は鶴見消防署所属で、10日午後3時すぎから約40分間、横浜港に停泊中のクルーズ船からの患者搬送業務に従事。同日夜に38度の発熱などの症状が出た。11日に解熱したものの14日に医療機関を受診、ウイルス検査で陽性と判明した。
同隊員がクルーズ船の陽性患者を搬送したのは1回のみ。搬送時には防護服にゴーグルやマスクを着用し、マニュアルに沿った対応をしていた。一方、発熱後の10日夜、別の救急業務で患者を搬送した。11日から13日までは勤務しておらず、渡航歴もないという。
厚生労働省は患者と接触後数時間で発症した例はこれまでに確認されていないとし、「クルーズ船患者の搬送が感染の契機になった可能性は低い」と説明した。