交通事故捜査で虚偽の供述調書を作成した上、捜査書類を持ち帰ったなどとして、県警は14日、海老名署の男性警部補(61)を停職6カ月の懲戒処分とし、虚偽有印公文書作成・同行使容疑などで書類送検した。警部補は昨春の定年退職後に再任用されていたが同日、依願退職した。
県警監察官室によると、警部補は相模原南、座間、麻生署の交通課員だった2010年6月~19年2月ごろ、担当した44件の交通事故で事実と異なる供述調書など31点を作成し、上司に提出するなどしたほか、捜査書類193点を自宅に持ち帰るなどした、としている。事故の関係者に無断で「診断書は提出しない」などと虚偽の記載を繰り返していたという。
昨年4月に警部補が担当した事故について関係者から照会があり、容疑が発覚。警部補は「事故関係者と連絡がつかずに捜査が進まないと面倒になり、偽造したり持ち帰ったりした」と話しているという。44件のうち、24件で再捜査を強いられ、7件は時効だった。
寺澤陽公監察官室長は「警察業務の信頼を損なう事案が続けて発生しており、県民に深くおわびする」とコメントした。当時上司だった警部、警部補計4人も所属長注意となった。