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華僑の兄弟創業、空襲で打撃
名器「李ピアノ」里帰り ローズホテル横浜で展示

話題 神奈川新聞  2018年03月07日 09:19

7日から展示される「李ピアノ」=ローズホテル横浜
7日から展示される「李ピアノ」=ローズホテル横浜

 大正から昭和初期にかけて、横浜の「李兄弟ピアノ製作所」で造られたピアノが6日、ローズホテル横浜(横浜市中区)に寄贈された。大正時代、横浜華僑の李佐衡が弟とともに創業した通称「李ピアノ」。多くは第2次世界大戦中の空襲で焼失し、今では全国でも数台しか確認されていないという名器が生誕の地に里帰りした。7日から同ホテル内で展示され、横浜開港資料館主任調査研究員の伊藤泉美さんは「横浜華僑がピアノを製造していた歴史を伝える貴重な一台」と話している。

 伊藤さんによると、李は中国浙江省鎮海県(現在の同省寧波市鎮海区)出身。上海でピアノ製造の技術を身に付けて横浜へ渡り「周興華洋琴専製所」(周ピアノ)を設立した叔父を頼って、来日した。周ピアノでの修業を経て1920(大正9)年、現在の横浜市南区堀ノ内町に李兄弟ピアノ製作所を開いた。

 45年4月の空襲で壊滅的な打撃を受け、李佐衡らは中国へ帰国。戦後は大手メーカーのピアノへの買い替えが進んだこともあり、周ピアノ、李ピアノとも現存する物は少ないという。

 今回の李ピアノを所有していたのは、静岡県在住の中山あおいさん。90年頃に中古で購入、黒色だったピアノはその後、緑色に塗り替えられた。部品も交換され、音はオリジナルとは異なる。「2503」という製造番号から、20年代末から30年代頃に造られたとみられる。鍵盤のふたの内側には、社名を示す「T.A.LEE-PIANO」の文字が刻まれている。


鍵盤のふたの内側には「T.A.LEE-PIANO」と記されている
鍵盤のふたの内側には「T.A.LEE-PIANO」と記されている

 一度は処分しようと考えた中山さんだが、希少なピアノであると知り、同資料館に連絡。伊藤さんの紹介で、同ホテルへ寄贈されることとなった。同ホテルの李宏道総支配人は「李ピアノ発祥の地・横浜に戻ってくることは光栄であり、大変感謝している。中華街を訪れる多くの人に見てもらいたい」と話す。

 7日から同ホテル1階ブライダルサロンで展示。サロンの営業時間(午前10時~午後7時)外でも、通りからガラス越しに見学できる。


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