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台風被災のベーグル店が再出発 廃業した喫茶店を継承

話題 神奈川新聞  2020年02月13日 05:00

開店準備が進む「みやがわエンゼルパーラー」。1月中旬には内覧会が行われ、ベーグルが振る舞われた=三浦市三崎
開店準備が進む「みやがわエンゼルパーラー」。1月中旬には内覧会が行われ、ベーグルが振る舞われた=三浦市三崎

 昨秋の台風15、19号で被災し休業していた三浦市のベーグル店「みやがわベーグル」(同市宮川町)が3月、同市三崎に場所を移して再出発することになった。半世紀以上にわたり三崎の名店の一つだった食事処・喫茶「エンゼル」の空き店舗を受け継ぎ、「みやがわエンゼルパーラー」として同じように地元で愛される店を目指していく。

 みやがわベーグルは岩﨑聖秀さん(43)らが、宮川湾近くの釣り具倉庫を改修し、2016年にオープン。地場産食材にこだわってマグロや三浦野菜を使ったベーグルを販売し、雰囲気や独特の立地が口コミなどで人気を呼び、多い時で1日に約200個を売り上げていた。

 ただ、昨年9月の台風15号で屋根やドアが損壊し、同10月の台風19号ではブルーシートで覆った箇所から浸水。岩﨑さんらは「断腸の思い」で三崎への移転を決めたという。


営業していた頃の食事処・喫茶「エンゼル」(江口ゆり子さん提供)
営業していた頃の食事処・喫茶「エンゼル」(江口ゆり子さん提供)

 エンゼルは故・江口満子さんが50年以上前に開店し、04年に他界後は長男・忠先さん(71)とゆり子さん(66)夫妻が切り盛り。マグロ漁が盛んだった頃は、約30席の店内に多くの漁船員らが出入りし、サンドイッチやナポリタンといった軽食を頰張った。マグロ漁が衰退しても、マグロの尾の身を使った中華まんやギョーザなどの中華料理を開発。ソースカツ丼やピザなどさまざまなマグロ料理を求めて、地元客や観光客でにぎわった。

 だが2年前に忠先さんが病に倒れて昨春に廃業し、店を貸し出すことに。「廃業は寂しい」とゆり子さんが寂しさを感じていたところ、昨年11月に店の名を残して借り受けたいという申し出があったという。

 みやがわエンゼルパーラーは、かつてのレトロな雰囲気を残しながら改装。看板メニューのスイーツやランチなども提供する予定で、店長の蛭田奈奈さん(40)は「居心地の良い、誰もがのんびりと過ごせるお店にしたい」と意気込む。

 「店名を残してくれるなんてびっくりして、うれしかった」というゆり子さんは、娘たちと食事に訪れる日を楽しみにしている。岩﨑さんは「エンゼルの姿を追い、愛される店を目指したい」と話している。


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