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命もつなぐ地域の絆 被災者の証言から描くミュージカル 鎌倉で10日上演

カルチャー 神奈川新聞  2018年03月05日 10:48

被災者の証言を基にしたミュージカル「いのちてんでんこ」(みんなのしるし提供)
被災者の証言を基にしたミュージカル「いのちてんでんこ」(みんなのしるし提供)

 東日本大震災の被災者の証言を基にしたミュージカル「いのちてんでんこ」が10日、鎌倉芸術館小ホール(鎌倉市大船)で上演される。震災から間もなく7年。地域に根付いた文化や伝統を中心に人々がつながり、苦境を乗り越え合った姿を描く。

 ミュージカルは、防災科学技術研究所の委託調査員などとして三陸地域で100人以上から証言を集めた演出家・前川十之朗さん(52)が創作。前川さんが代表社員を務め、芸術を通じて復興や地域活性化に取り組む岩手県大船渡市の「みんなのしるし合同会社」が2013年に初演後、学校を中心に公演を重ね、4万2千人が鑑賞した。

 被災地の市役所に入庁したばかりの若者が避難所の仕事を通じ、人々のつながりや地元に根付いた文化芸能の素晴らしさに気づいていく物語。劇中、岩手を代表する郷土芸能「金津流獅子躍」が披露されるほか、実際に被災者が撮影した震災直後の写真や映像、証言も織り込まれる。

 前川さんは、充実した表情で避難所での集団生活を証言する被災者たちに驚いた。「被災前よりも地域が結束し、その中心に芸能があった」。子どもたちは地域の祭りや芸能をお年寄りから教わり、大人は衣装や仮面を作る。それが人々をつなげていた。

 だからこそ実感するのは、「命を守るのはコミュニティーの力」。そして地域に伝わる文化は「日本の宝」だ。


本番に向けて練習を重ねる出演者たち =平和島ユースセンター
本番に向けて練習を重ねる出演者たち =平和島ユースセンター

 学校以外での一般公開は3年前に鎌倉で行われて以来2回目。鎌倉市内で毎年復興イベントを開いてきた市民らが実行委員会を結成し、みんなのしるしとともに主催する。震災直後から大船渡などに通う実行委の酒井太郎さんは「震災を風化させず、自らの防災を考えるきっかけにもしてほしい」と来場を呼び掛ける。

 午後1時と同5時の2回公演。前売り4200円、当日4500円、25歳以下3500円。楽天チケットなどで発売。問い合わせは、みんなのしるし電話0192(47)5123。


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