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4月、ミューザでコンサート
自閉症児の家族へ届け ピアニスト・小川さん

カルチャー 神奈川新聞  2018年03月05日 10:27

福田市長に「ジェイミーのコンサート」やフェローの称号授与について報告した小川さん =川崎市役所
福田市長に「ジェイミーのコンサート」やフェローの称号授与について報告した小川さん =川崎市役所

 国内外で活躍するピアニスト小川典子さん(56)=川崎市多摩区=は4月19日、自閉症児の家族を対象にした「ジェイミーのコンサート」をミューザ川崎シンフォニーホール・市民交流室(同市幸区)で開く。かつて英国で自閉症の男児と暮らした経験から「家族が癒やされる場を提供したい」と2004年から続け16回目。英国でも評価が高く、ロンドン市立の名門、ギルドホール音楽院から最高位であるフェローの称号を受けている。

 川崎市出身の小川さんは英国と日本を拠点に世界各国で演奏活動を展開。二十数年前、英国で下宿していた家庭で自閉症児のジェイミー君と2年間一緒に暮らした。「物を散らかし、夜はなかなか寝つかないなど、母親は24時間、気が休まることがない。ジェイミー君は実は母親の精神状態を鏡のように映し返していて、母親が幸せな気分にならないと落ち着かない」。そんな母親のためにとコンサートを企画した。

 子どもたちが学校やデイケアで過ごしている間に親が気兼ねなく楽しめるよう、平日の午前11時に開演を設定。150人収容の会場はいつもいっぱいだが、初めは自閉症児の親は4、5人程度だったという。やがて口コミや市自閉症児協会代表理事の明石洋子さんの協力などで、現在は50人ほどに増えたという。小川さんは「お母さんたちもファッショナブルな服装で来場するようになった」と笑顔を見せる。

 英国でも10年から同コンサートを行うと共に、教授として指導している同音楽院で、「ジェイミーのコンサート」学術研究発表を導入し成功。こうした功績が認められ、フェローの称号を昨年11月に授与された。日本人が同称号を得るのは珍しく、今月5日には、福田紀彦市長に報告し、「先進的な取り組みを続けられ、(当事者や家族が)ハッピーになるサイクルをつくられている。まさに継続は力」とたたえられた。

 4月のコンサートでは、英国の作曲家ジョセフ・フィブスさん作の「ジェイミーのコンサートに捧ぐ」(仮題)を初めて披露するとともに、モーツァルト「ピアノ・ソナタ第11番イ長調『トルコ行進曲つき』」などを演奏。コンサート後はジェイミー君が好きな英国のビスケットを楽しみながら親と交流する茶話会を行う。明石さんの特別講演や自閉症の書家瀬崎竜彦さんの作品展示も。

 コンサートは全席自由で3500円。チケットの問い合わせ・申し込みは、アーツ・アイランド電話03(6914)0353。


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