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やまゆり園 事件考
呼吸器の子(中) 息子の存在こそ希望

社会 神奈川新聞  2020年02月11日 10:38

 2019年4月、土屋義生さん(40)は主夫になった。人工呼吸器を付けて暮らす長男荘真君(6)を介護し、妻の真澄さん(39)と小学3年生の長女の由真さん(9)、保育園に通う次女の真維さん(4)のために家事と育児を担う日々が始まった。


地域の療育センターに向かうために車に乗り込む準備をする荘真君と義生さん=1月22日、横浜市
地域の療育センターに向かうために車に乗り込む準備をする荘真君と義生さん=1月22日、横浜市

 最初の1カ月間は、仕事を辞めた解放感でいっぱいだった。荘真君の介護に加え、学童保育に通う由真さんと保育園児の真維さんの夕方のお迎え、家族の夕食の用意…。1年間の育休経験もあり、無難にこなした。大好きな部屋掃除に喜々として取り組んだ。

 だが、ある疑問が次第に頭をもたげるようになった。「このまま主夫を何十年続けたとして、自分にいったい何が残るのだろう」

 仕事をしているときには目標達成に向けて前進すればよかったが、家族を「裏方」で支える主夫は勝手が違った。日々のことで精いっぱいで、自分の時間はまったくない。自分の人生を生きていないような気がしてならなかった。

 地域の療育センターで障害のある子の母親たちに出会うことはあったが、なんとなく輪に入ることができなかった。仕事上の肩書が外れて「障害のある荘真君のパパ」としてだけ見られることに居心地の悪さを感じていた。

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