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川崎・市民団体 議長「根絶 方向同じ」
〈時代の正体〉ヘイト「刑事罰を」差別禁止条例求め意見書

時代の正体 神奈川新聞  2018年03月02日 11:10

意見書を手に趣旨の説明を受ける松原議長(右から3人目)=川崎市役所
意見書を手に趣旨の説明を受ける松原議長(右から3人目)=川崎市役所

【時代の正体取材班=石橋 学】人種差別の根絶に取り組む市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は1日、人種差別の禁止をうたい、ヘイトスピーチに刑事罰を科す条例の早期制定を求める意見書を川崎市と市議会に提出した。市民が直面している深刻な被害を踏まえ、具体的な防止策と救済措置を盛り込んだ。

 入居、就職などにおける差別全般を禁じ、ヘイトスピーチについては氏名公表の行政罰のほか、「死ね」「殺せ」と危害を告知し、犯罪をあおる極めて悪質なものは2年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金という刑事罰を科す。インターネット上の差別書き込みのモニタリングと削除要請の実施▽人権教育の推進▽被害相談・救済機関として人権オンブズパーソンの設置▽市民が差別を告発する通報制度の導入▽定期的な差別の実態調査-も条例で定めるよう求めている。

 市内では人種差別団体のデモや街宣、集会が計20回繰り返され、在日コリアン市民を標的にしたネット上の差別書き込みも横行。同ネットワークは結成から2年余で11回の学習会を重ね、「市民の総意の結集」として意見書をまとめた。

 松原成文市議会議長は「重く受け止める。議会も市長もヘイトスピーチ根絶というベクトルは皆さんとまったく同じ。各会派に周知し、早期制定の要望も念頭に取り組む」と約束。福田紀彦市長は昨秋の市長選で、差別根絶に向けた施策の実施と条例制定の提案を公約に掲げて当選しており、伊藤弘副市長は「差別と偏見のない社会は誰もが望むもの。市民と議会、行政の方向性に違いはない」と応じた。

禁止と救済 増す切実さ


意見書の趣旨を記者会見で説明する神原弁護士(左)=川崎市役所
意見書の趣旨を記者会見で説明する神原弁護士(左)=川崎市役所

 意見書提出後の記者会見で、市民ネットワークの神原元弁護士(50)は刑事規制の必要性を「実効性の担保には行政罰では限界がある。捜査権限を持つ警察ならネットに差別書き込みをした人物の特定がしやすい。警察自体がヘイトデモに不介入ではいられなくなり、路上でのヘイトスピーチの抑止にもつながる」と力説した。

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