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野生肉の解体処理車導入は頓挫 県

社会 神奈川新聞  2018年02月23日 02:00

県が導入を進めてきたジビエカーの同型車(県自然環境保全課提供)
県が導入を進めてきたジビエカーの同型車(県自然環境保全課提供)

 野生鳥獣肉「ジビエ」の利活用に向け、県が進めてきた移動式解体処理車「ジビエカー」の導入を断念したことが22日、分かった。車両購入費の一部を負担するとして2017年度当初予算案に1500万円を盛り込んだが、2月補正予算案で全額を減額補正した。今後は需要喚起にシフトするとしたものの、食害が深刻な丹沢のシカ対策の一環として官民が連携してきた振興策が後退した格好だ。

 移動式解体処理車は、シカやイノシシなどの野生鳥獣の捕獲現場近くまで駆け付け、速やかに肉の処理を行う。通常シカを食肉加工する場合は捕獲から2時間経過すると鮮度が落ち、品質が低下するとされる。解体処理車の導入で、県産ジビエの利活用につながると期待された。

 県は昨年5月、車両購入費の約4分の3に当たる1500万円を負担するとして事業者を公募。1社が手を挙げ、10月には稼働に必要な条例改正案も可決したが、12月になり「採算が確保できない」として辞退を申し出たという。

 黒岩祐治知事は、現在捕獲した鳥獣の一部は自家消費されており、県内に2カ所ある肉の処理加工施設も「採算が確保できない状況」と説明。背景にジビエの認知度不足を挙げた。

 その上で、県西地域の観光協会や商工会を通じて市場開拓に向けた調査を開始したとし、「捕獲から販売まで出口を見据えた新たな仕組みを構築するため、県としてどのような支援を行うことが有効か検討していく」と述べた。

 同日開かれた県議会本会議で佐藤知一氏(かながわ民進党)の一般質問に答えた。


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