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5月開幕U20世界ラグビーに挑む
王国の強さ「逆輸入」 NZで単身武者修行・日下太平(鎌倉市出身)

スポーツ 神奈川新聞  2018年02月18日 11:49

果敢にアタックするU20日本代表候補の日下=東京都町田市のキヤノンスポーツパーク
果敢にアタックするU20日本代表候補の日下=東京都町田市のキヤノンスポーツパーク

 ラグビー王国・ニュージーランドで単身武者修行しながら、U20(20歳以下)日本代表候補に選ばれたラガーマンがいる。昨秋にクライストチャーチ・ボーイズ高を卒業した日下太平(18)=鎌倉市出身=だ。王国で培った嗅覚を武器に、5月末に開幕するU20世界選手権に挑むため、ひたむきに体をぶつける。

 11歳の時、目の前に広がった王国の熱狂ぶりが忘れられない。

 2011年のワールドカップ(W杯)ニュージーランド大会。日本から父、弟とともに応援に駆け付けた日本-ニュージーランド戦。スタンドから声をからしたが、日本は7-83で敗れた。オールブラックスはその勢いで24年ぶりに世界の頂点へ。「国中がラグビーに燃えて、一つのタックル、トライにスタジアムが揺れる空気に衝撃を受けた」。本場のムードを肌身で感じた少年は「いつかここでラグビーをしたい」と夢を抱いた。

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 3歳から鎌倉ラグビースクールで楕円(だえん)球を追い掛けるラグビー小僧だった。関東六浦中へ進むと、才能は開花。14年には県大会初制覇に導き、県中学選抜の主将として、後に桐蔭学園高の主将となる原田衛らと全国大会で4強進出した。

 輝かしい道を進む中でも、夢を忘れなかった。同世代が花園での活躍を目指すのを横目に、“世界最高のSO”と称されるダニエル・カーター(仏リーグ・ラシン92)や、15年W杯日本代表の小野晃征らを輩出したニュージーランドの名門高に進んだ。

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 最初の2年はレベルの高さとパワーに圧倒されたが、地道に鍛えて体重を35キロアップ。ダイナミックなランニングと簡単に倒れない芯の強さを身に付けた。「満足だった1年」だと振り返るラストシーズンでは悲願の1軍昇格を果たし、CTBで定位置を獲得した。

 125年の歴史があるクライスト・カレッジとの昨年6月の対抗戦で先発して1トライ。大歓声を浴びた。「両校生徒やラグビーファンが集まってすごい盛り上がり。重みのある試合だった」。伝統の一戦で活躍して州代表にも選抜され実力は証明された。

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 昨春のU18日本代表選出に続き、今回は飛び級でU20代表候補入りした。1、2月の合宿では持ち味を発揮し、遠藤哲監督(45)は「海外経験を生かして、大学生たちに刺激を与えてほしい」と期待する。元早大監督で日本ラグビー協会の中竹竜二コーチングディレクター(44)は「海外選手に負けない強い当たりがいい」と見るが、「日本のスピードのあるラグビーにどれだけ順応できるか」と課題も挙げる。

 「逆輸入」だからこそそうした指摘も自覚し、「日本的な選手じゃないので、もっとスタミナとスピードを高めないといけない」と愚直に自身を見つめる。

 今後はニュージーランドの大学に進学して現地でプレーを続ける意向だが、「今は日本代表入りに集中したい」と入学時期は夏以降に遅らせた。

 U20世界選手権では予選同組でニュージーランドと対戦する。その舞台にジャパンのジャージーを着て立つための挑戦は幕を開けたばかりだ。

 くさか・たいへい 関東六浦中-クライストチャーチ・ボーイズ高。鎌倉市出身。181センチ、99キロ。


クライストカレッジとの対抗戦でプレーするクライストチャーチ・ボーイズ高時代のCTB日下(左奥)=2017年6月、ニュージーランド
クライストカレッジとの対抗戦でプレーするクライストチャーチ・ボーイズ高時代のCTB日下(左奥)=2017年6月、ニュージーランド

カンタベリー大主催の大会で頂点に立ち笑顔を見せる、クライストチャーチ・ボーイズ高時代の日下太平(右)=2017年8月、ニュージーランド
カンタベリー大主催の大会で頂点に立ち笑顔を見せる、クライストチャーチ・ボーイズ高時代の日下太平(右)=2017年8月、ニュージーランド

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