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地域力 担う人々
住民目線のつなぎ役 三浦で移住支援

社会 神奈川新聞  2018年02月12日 11:00

お試し居住者向けバスツアーの参加者にガイドをする菊地さん(左)=県立城ケ島公園
お試し居住者向けバスツアーの参加者にガイドをする菊地さん(左)=県立城ケ島公園

 転出者を抑え、転入者を増やす「新しい人の流れ」をいかに生み出すか-。人口減に歯止めがかからず、県内の市で唯一、「消滅可能性都市」に名指しされた三浦市で試行錯誤が続いている。その柱が、市内の空き物件に最長で1カ月住み込み、都心にない魅力を肌で感じてもらう「トライアルステイ」。取り組みはまだ途上だが、有志のグループが住民の視点を生かして意欲的に携わり、地域の暮らしを守るつなぎ役になっている。

 「三浦はワカメなど海藻類がおいしい。新ワカメはしゃぶしゃぶで食べるのが一番お勧め」

 1月28日に市内で催されたバスツアー。海沿いを走る車内で一足早い春の魅力を伝えたのは、有志の住民グループ「MISAKI STAYLE(ミサキステイル)」の菊地未来さん(29)だ。玄関口の京急線三浦海岸駅からの線路沿いは「桜と菜の花が咲き、春らしいカラーになる。桜まつりの季節は多くの人が集まる」とアピールした。

 その言葉に耳を傾けていたのは、夫婦や親子など30~80代の3組5人。多くはないが、いずれも観光客ではなく、最長1カ月のトライアルステイで市内にお試し居住中の人たちだ。車窓に映る畑や海など三浦ならではの風景に心を和ませ、県立城ケ島公園では展望台から360度のパノラマを堪能した。

 「三方を海に囲まれた三浦はあちこちで海の景色が楽しめ、魚や野菜も新鮮。ファンを増やしたい」。不便さはあるものの、生まれ育ったわがまちをめでる菊地さんが発起人となり、ミサキステイルは2016年12月に発足。縮みゆく地域を少しでも盛り上げようと活動している。

 17年度は委託を受け、お試し居住者を対象とした交流会やバスツアー、料理教室を企画・開催し、滞在中のサポートも担う。スーパーの情報などを記した菊地さん自作の地図も配り、きめ細かい気配りを心掛けている。

 昨年8月には「移住相談所」を独自に開設。メンバーの安原芳宣さん(57)が三崎下町に構える古道具店「ROJI」にその看板が下がる。

 移住を検討する人のニーズを聞き、メンバーでもある不動産業者が該当する物件を紹介。開業や空き家活用なども含めた相談件数はこの半年で30件を超え、定住に結び付いたケースもあるという。

 10年ほど前までは都内に通うサラリーマンだった安原さんも、移住者の一人だ。

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