カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を巡る汚職事件に絡み、赤羽一嘉国土交通相は29日の参院予算委員会で、誘致を目指す自治体の不正防止を徹底する姿勢を示した。「手続きが適正に講じられていなかった、講じられたことが確認できなかった場合は入口で排除する」と述べ、事業者選定で不正が発覚した自治体は立地区域に認定しない考えを明らかにした。
IR立地区域の認定は、自治体が事業者とともに政府に計画を提出。有識者委員会が計画を審査し、国交相が全国で最大3カ所を認定する流れになっている。
赤羽氏は審査の公正性と中立性を確保するため、第三者による有識者委員会を設置し、計画に対する審査結果や評価の過程の公表を基本方針案に明記する方針も示した。汚職事件を受けて政府の対策をただした国民民主党の徳永エリ氏の質問に答えた。
一方、社民党の福島瑞穂氏(全国比例)は、安倍晋三首相が2017年2月の訪米時に朝食会で米カジノ事業者幹部と面会したことを問題視。事業者側から「IRは観光立国を目指す日本にとって有益」などと日本でのIR導入を歓迎する発言があったことに触れ、発言者や具体的な発言内容を明かすよう求めたが、首相は「非公開を前提にしており、誰がどういう発言をしたかは差し控えたい」と明言を避けた。
福島氏は政府が事業者との接触ルール策定を検討していることを踏まえ、「首相自身が事業者と会っている。接触ルールの制限をまず破っているのが安倍首相だ」と批判。首相は「IRについての要請や要求はなかった」とし、問題はないとした。