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横浜市、中堅保育士に月4万円 2018年度から

政治行政 神奈川新聞  2018年01月31日 02:00

横浜市役所
横浜市役所

 横浜市は2018年度から、経験年数7年以上の全ての保育士に月額給与4万円を上乗せする処遇改善を新たに実施する。国が17年度から実施している中堅保育士向けの加算制度を補完するもので、都市部の自治体が本格的に待機児童対策に乗り出す中、保育士の確保や保育の質向上にもつなげたい考えだ。

 国は本年度からおおむね経験7年以上の中堅保育士向けに月4万円の加算を実施。しかし、各園の保育士の3分の1が中堅と想定して配分する制度設計のため、中堅が3分の1以上を占める保育所などでは、対象者全員に適用できなかった。このため市は独自で約10億円を投じ、対象者全員の給与アップに踏み切る。

 背景には、自治体間の保育士確保競争の激化もある。隣接する東京都は15年度から独自で経験年数にかかわらず月約2万3千円の補助を開始。17年度にはさらに上乗せして月約4万4千円とした。

 実際に市内のある保育所では、新年度から保育士2人が都内の保育所に転職することになり、後任の確保に追われているという。園長は「最近は多くの自治体で保育士向けの住宅借り上げ制度が整備され、地方出身の職員も増えている。どこに住んで働いても構わないという保育士も多く、都内を中心に待遇のよい自治体にどんどん移っていく」と苦労を明かす。

 市こども青少年局によると、17年4月の段階で定員割れになった304の認可保育所や認定こども園のうち、約1割に当たる28園が保育士の採用が計画通りにいかなかったことを理由に挙げた。新たな保育所を建設しても保育士が集められず、予定の定員数の子どもを預かれない事態も起きている。

 同局は「事業者から横浜では保育士が集められないという声も聞く。今回の処遇改善が保育士確保につながれば」と期待を寄せる。また、保育所の急増で経験の浅い保育士が増える中、就労年数を延ばせる環境を整え、人材確保と保育の質向上につなげたい狙いもある。

 林文子市長は30日の予算会見で「結果的に保育事業者の取り合いになっているが、各都市が待機児童対策に力を入れるのは素晴らしいこと。長く対策に取り組んできた横浜市の姿勢は広く理解されており、処遇改善や離職防止を進めたい」と述べた。


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