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中小河川の水害対策 県と市町村新方針決定

社会 神奈川新聞  2018年01月31日 02:00

主に中小河川の大規模氾濫を想定し、今後の対策を決めた協議会=神奈川自治会館
主に中小河川の大規模氾濫を想定し、今後の対策を決めた協議会=神奈川自治会館

 温暖化を背景に激化する水害に備えようと、県や市町村などは30日、横浜市中区で「大規模氾濫減災協議会」を開き、住民らの「逃げ遅れゼロ」を柱とした5年間の取り組み方針を決定した。対象は、自治体が管理する主に中小の計118河川。県域を6ブロックに分け、地域や河川ごとの特徴を踏まえながら、洪水想定の見直しや水位計の増設、避難計画の見直しなどを進める。

 大規模氾濫を念頭に対策を進めるのは、県と横浜市が管理する1、2級河川。近年の深刻な水害に対応できる堤防や遊水地などの施設整備は財政的な制約が大きく、時間もかかるため、日頃から洪水のリスクを流域住民と共有し、豪雨時の確実な避難につなげることを取り組みの柱に据えた。

 県内共通の課題として、自治体などの防災対応を時系列で定めた「タイムライン」の作成や防災無線の改良、水位計の増設、防災教育の実践などを列挙。各地の事情やこれまでの成果を考慮しつつ、県と市町村で役割を分担しながらさらに進める方針を示した。

 ブロック別(対象河川は一部重複)では、東京五輪・パラリンピックなど国際的なイベントを控える横浜・川崎(鶴見川や平瀬川、帷子川、大岡川、柏尾川など40河川)は、多言語による水位情報の提供が課題。崖地の多い三浦半島(平作川、田越川など7河川)は洪水だけでなく、土砂災害が同時に起きる事態を想定した対策が重要となる。

 藤沢・相模原(道志川、境川、引地川など23河川)と厚木(相模川、荻野川など6河川)は上流部のダムからの放流を考慮した避難対策が欠かせず、堤防のある中小河川が多い平塚(金目川や水無川、葛川など18河川)は決壊のリスクを共有することが鍵。富士山噴火による火山灰の堆積で酒匂川の氾濫が繰り返されてきた県西(早川、玄倉川、河内川など28河川)は、その歴史から得られた教訓を次世代に語り次ぐことが大きなテーマとされた。

 国の出先機関も参加する大規模氾濫減災協議会は昨年5月に設置され、この日が2回目。今後も定期的に開催し、対策の進捗(しんちょく)状況を確認しながら各地の水害の対応力を高めていく考えだ。


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