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【ベイルーキー・飛躍期す10人の“星”】ドラフト2位・外野手 神里和毅

ベイスターズ 神奈川新聞  2018年01月29日 11:44

走攻守三拍子揃った即戦力として期待される横浜DeNAのドラフト2位・神里=横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンド
走攻守三拍子揃った即戦力として期待される横浜DeNAのドラフト2位・神里=横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンド

父の思い胸に活躍を


 神里和毅(日本生命)には、新人ながら背番号「8」が与えられた。

 50メートル5秒9の俊足、遠投は100メートル超。広角に打ち分けるシャープなスイング。動作に、父・昌二さんの思いが宿る。

 「お父さんはすごい選手だったんだぞ」。親戚が集まると、よく聞かされた。父は沖縄・豊見城高の元エース。故・栽弘義監督の下、石嶺和彦氏(元オリックスなど)とバッテリーを組み、甲子園に4度出場した。社会人のプリンスホテルでも活躍したが、プロ入りの夢は夢のまま終わった。

 昨秋の入団発表会。わが子のユニホーム姿に昌二さんが目を細めた。「最初は野球をやらせたくなかったんですが…」。あの悔しさを息子に味わわせたくなかった。

 「理由は教えてくれなくても、雰囲気で分かりました。違うことばかりやらされて…」。小学3年までは陸上やトライアスロン。父親譲りの身体能力で、水泳では自由形で県大会4位に入った。ただ、プロ野球中継を見ていると、無言でチャンネルを変えられるほど、野球から遠ざけられた。

 ようやく許しを得たのが4年生の時。その後の中学、糸満高時代も「目立った選手じゃなかった」という。

 転機があった。高校2年夏の沖縄大会。スタンドから声をからす神里の目の前で、中学からの友人2人が活躍。「みんな頑張ってるのに、和毅だけ頑張ってないね」と中学時代から知る女子生徒に言われ、ただただ悔しかった。

 「絶対に見返そう」。強い思いが練習に向かわせた。ダッシュの本数はチームメートの倍に。放課後の練習は誰よりも遅く帰った。自宅では父が駐車場に作ってくれた打撃ケージで黙々とバットを振った。

 興南高で全国制覇したエース島袋洋奨(ソフトバンク)に憧れて進学した中大では、東都リーグで現在のチームメートたちとしのぎを削った。駒大には戸柱や白崎、同級生の今永、亜大の山崎-嶺井バッテリー。特に山崎との対戦でスカウトの目を引き寄せた。

 「打って目立ってやろう」。3年春。その年のドラフト1位右腕の直球、さらに宝刀ツーシームまで打ち砕き、フェンス直撃の長打3本を含む4安打を放った。

 ただ翌年にプロ志望届を提出したが、「調子の波の激しさ」を指摘され、道は閉ざされた。大学では打率3割台を2度記録した一方、2割に届かないシーズンが3度もあった。社会人の名門・日本生命ではインパクトの前に膝が伸び切る悪癖を修正、メンタル面でも成長してプレーの安定感が増し、「2年でプロへ」との誓いをかなえた。

 昨年末。U-15(15歳以下)日本代表で、この春東海大相模高に進学予定の弟・陸さんと、自宅の打撃ケージで父が投げたボールを打ち込んだ。「いいぞ。軸がぶれなくなったな」。昌二さんは珍しく褒めてくれた。

 「父の夢だったこの世界で結果を残して、いい思いをさせたい」

 =おわり

かみざと・かずき 外野手。沖縄県南風原町出身。沖縄・糸満高-中大-日本生命。走攻守の三拍子そろった即戦力。高校3年夏に甲子園出場。中大では4年秋に東都リーグベストナインに選ばれた。昨秋に社会人日本代表として出場したアジア選手権では打点王(9打点)に輝き、チームの優勝に貢献。178センチ、81キロ。右投げ左打ち。背番号8。24歳。


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