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感動再び ラグビーW杯チケット一般発売(下)

社会 神奈川新聞  2018年01月28日 09:31

ラグビー2019年W杯チケットの抽選販売手続きが始まり、東京・丸の内で開かれた記念イベント=27日午後(共同)
ラグビー2019年W杯チケットの抽選販売手続きが始まり、東京・丸の内で開かれた記念イベント=27日午後(共同)

 ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会組織委員会は27日、海外を含めた一般向けの大会チケットの抽選販売手続きをオンラインで開始した。申込期間は2月12日までで、抽選結果は26日に発表される。

 今回のチケットは、同一会場で行われる1次リーグ全試合が観戦できる「スタジアムパック」と、同一チームの1次リーグ全試合を観戦できる「チームパック」のセット券2種類。組織委によると、手続き開始4時間の時点で倍率14倍を超すパックも出ていた。

 価格は、開幕戦が行われる東京・味の素スタジアムで5試合を正面から観戦できる最も高いカテゴリーAが18万円。横浜・日産スタジアム(4試合)の同カテゴリーは14万円。日本代表のチームパックは17万円(同カテゴリー)となっている。

 販売手続き開始を記念し、東京・丸の内で行われたイベントには2015年W杯日本代表の田中史朗選手(パナソニック)や大野均選手(東芝)らが出席。集まった約600人を前に組織委の嶋津昭事務総長は「世界の一流の選手のプレーをスタジアムで味わおうじゃありませんか」と呼び掛けた。

 チケットを申し込み、イベントに参加した東京都の会社員井関久実さん(34)は「15年大会の日本選手の活躍を見てラグビーが好きになった。15年の感動を日本で見たい」と本番を待ち望んだ。

 決勝トーナメントを含む通常チケットの販売手続きは2月19日、横浜の試合で神奈川県民が対象となる「開催都市住民」先行販売手続きは3月19日に始まる。


卒業後はトップリーグへ進み、2019年W杯へ研さんを積む
卒業後はトップリーグへ進み、2019年W杯へ研さんを積む

期待の「ポスト五郎丸」 横浜で歓喜の中心に


 新星がきらめこうとしている。東海大ラグビー部主将としてチームをけん引した野口竜司選手(22)。「ポスト五郎丸」の呼び声高い気鋭のFB(フルバック)は今季、日本代表で9試合に出場し、猛アピールを飾った。「日本開催なのでもちろん出場したいと思うし、楽しみ。そこで結果を残したい」。視線は1年後に迫ったワールドカップ(W杯)のピッチを鮮明に捉えている。

 「テストマッチを経験できたのはプラスになった。タックルの部分が改善されたし、ボールキャリーでも判断が良くなり、プレーの幅が広がった」。飛躍の1年をこう振り返る。

 2016年のアジアチャンピオンシップで代表デビューを飾るも、その後は結果を残せず。歯がゆさを糧に、大学生活集大成となった17年は6月のアイルランド戦でトライを決めるなど、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチからも潜在能力の高さを評価された。

 周囲を見渡せば、桐蔭学園高出身の松島幸太朗選手(サントリー)をはじめ、前回15年W杯で躍進の力となった一線級が並ぶ環境。高いレベルに身を置くことで秘めた力が引き出された。

 フィジカルでは及ばないと認める。ただ、「ついていく一方だけど、自分が何を磨かないといけないかが分かった。キックの精度もだけど、まずはスピードを上げることがテーマ。自分一人遅いとタイミングがずれてしまう」。体づくり、技術の習得。代表の座を譲るつもりは毛頭ない。


「ポスト五郎丸」の呼び声高い野口選手。フィジカルを磨き、1年後の大舞台を見据える(東海大ラグビー部提供)
「ポスト五郎丸」の呼び声高い野口選手。フィジカルを磨き、1年後の大舞台を見据える(東海大ラグビー部提供)

 大阪府東大阪市出身。聖地・花園ラグビー場まで「自転車で5分、10分の距離」という場所で育った少年が最初に選んだのはサッカーだった。だが、ラグビーが盛んな地域だけに、中学入学後は自然と楕円(だえん)球に親しむことになる。

 「チームのために体を張るのがラグビーの一番の魅力。紳士のチームスポーツだと思う」とのめり込むと、東海大仰星高(大阪)では世代別代表にも名を連ね、スターダムを駆け上がった。

 ただ、前回のW杯はまだテレビの向こう側の世界。強豪南アフリカ戦は中継にかじりつき、「衝撃を受けた。日本もここまで戦えるというのを証明した試合。ボールキープでミスをしないし、レベルが高かった」。躍動する桜のジャージーに胸を焦がした。

 今、テレビ画面越しに声援を送ったフィフティーンと同じ場所に立つ。重圧も、責任も感じている。同時に、乗り越えた先に光が差すことも知っている。

 脚光を浴びた五郎丸歩選手(ヤマハ)と同じポジション。22歳はその後継者と目されるが、ベクトルは常に内に向く。「体格からして違うからまねしようとしても同じにはできない。それより自分がどれだけ変われるか」。背中を追うわけではない。自らの理想を具現化しようと模索する。

 夢は果てしない。ニュージーランド代表・オールブラックスに勝つ日が訪れたら。横浜で行われる準決勝、決勝まで進めたら-。

 若きラガーマンはひるまない。「可能だと思うし、オールブラックスに勝ったら日本のラグビーも変わる」。歴史を塗り替えるその時、歓喜の中心にいる青写真を描いている。

のぐち・りゅうじ ラグビー日本代表候補。大阪・東海大仰星高-東海大。2016年、アジアチャンピオンシップの韓国戦で代表デビュー。17年は6月の強豪アイルランド戦でトライを挙げるなど9試合に出場した。177センチ、83キロ。大阪府出身。22歳。


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