1. ホーム
  2. ベイスターズ
  3. 【ベイルーキー・飛躍期す10人の“星”】ドラフト1位・投手 東克樹

「反骨心」胸に夢実現
【ベイルーキー・飛躍期す10人の“星”】ドラフト1位・投手 東克樹

ベイスターズ 神奈川新聞  2018年01月21日 02:00

反骨心を胸にプロの世界に飛び込んだ横浜DeNAのドラフト1位・東=横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンド
反骨心を胸にプロの世界に飛び込んだ横浜DeNAのドラフト1位・東
=横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンド

 20年ぶりの優勝を目指すベイスターズに頼もしい10人のルーキーが加わった。近年のチーム躍進を支えた山崎、今永、浜口らに続く即戦力の台頭や、ベイスターズの未来を担う選手はいるのか。期待にあふれる新星たちの横顔を紹介する。

「反骨心」胸に夢実現


 寒風吹きすさぶ、新春の横須賀。ブルペン入りした東克樹が早くも片りんを見せた。ストレートがうなりを上げ、捕手のミットが何度も球威に押し込まれた。

 「今永とは球の質は違うけど、同じように打者の手元で強さがある。浜口とはタイプが違うけど、チェンジアップをうまく使える。制球がいいからゲームメークもできる」。担当の八馬幹典スカウトが笑みをこぼした。

 身長170センチ。エリート街道をたどったわけでも、体格に恵まれたわけでもない。そんな左腕には「反骨心」のエネルギーが宿る。

 愛知の名門、愛工大名電高に進学した当時の自らを「どこにでもいる左投手」と振り返る。球速は130キロ程度、身長も160センチほど。甲子園のマウンドに立ったのは初戦敗退を喫した3年夏の一度きり。「常に現実路線」を自称する高校球児が、思い描いていたゴールは社会人チームだった。

 名の知れた企業で何年かプレーして、引退後は会社員に…。進学先に関西学生リーグの立命大を選んだのも、「この身長で球速も140キロそこそこなら関東にはいくらでもいる。試合に出られなければそのまま埋もれて終わる」と消去法にすぎなかった。

○ ○ ○
 その大学で、運命の出会いが待っていた。2015年春。その秋に巨人から1位指名された2学年上の桜井俊貴を視察するため、八馬スカウトが訪れた時だった。

 ブルペンで軽快にミットを鳴らす、2年の東に目が留まったという。「小さいけど左でええ球を放る。上級生になったら見ておくか」。2017年の候補リストにその名は記された。ただ「身長が低い」「完成度は低い」との注釈付きで。

 15年夏、左腕は肘の炎症に見舞われ半年間のリハビリ生活を送った。腐らずトレーナーのアドバイスを信じ、インナーマッスルを地道に鍛えた。

 この努力が才能を花開かせた。復帰するころには球速が150キロに迫り、3年春のリーグ戦では、まだ肘をかばいながらの投球で無安打無得点試合を達成。150キロに到達した4年春はリーグ史上初の2度目のノーヒットノーランを成し遂げたのだった。

 4年時には大学日本代表入り。チームメートに握りを教わったというカーブを自らのものにし、ブレーキの利いた新たな武器でプロ入りに大きく近づいた。

○ ○ ○
 ベイスターズは高校通算111本塁打の清宮(東京・早実高)よりも、この左腕を高く評価した。今永、石田、浜口を擁する球界屈指の左腕王国で、春季キャンプからレベルの高い競争を勝ち抜き、ローテーションの一角に食い込めるか。

 「まずはけがをせずに自分のボールを投げること。そうすれば結果は後からついてくる。キャンプからアピールして、開幕ローテに入って、1年間投げた先に2桁という目標が現実に近づく。石田さん、今永さん、浜口さんに僕も続きたい」

 プロとして、40歳まで現役生活を続けることを大きな目標に掲げている。

 「40歳までは選手として野球を学んで、50歳では小、中学校の子どもたちにプロの野球を教えていたい。野球が大好きなんです」。思い描いた夢を1年目から実現していく。 

あずま・かつき 投手。三重県四日市市出身。愛知・愛工大名電高-立命大。高3夏に甲子園に出場。立命大では3年春からエースを務め、関西学生リーグで史上初の2度の無安打無得点試合を達成した。同リーグ通算41試合で19勝9敗。昨夏の日米大学選手権は計11回を無失点に抑えて最優秀投手に輝いた。170センチ、76キロ。左投げ左打ち。背番号11。22歳。


シェアする