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IR考
整備阻止へ国会焦点 野党、横浜の反対運動と連携

社会 神奈川新聞  2020年01月20日 05:00

市民とともにカジノ反対をアピールするカジノ問題追及本部のメンバー=14日午後、横浜市中区
市民とともにカジノ反対をアピールするカジノ問題追及本部のメンバー=14日午後、横浜市中区

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を巡る汚職事件を受け、20日召集の通常国会はIR整備の是非が大きな焦点になりそうだ。「IRと汚職は別問題」と推進姿勢を崩さない政府に対し、野党側は横浜で熱を帯びる反対運動と連動して整備阻止へ攻勢を強めたい考え。現職国会議員の逮捕も追い風に安倍政権の責任を追及する構えだが、一枚岩になれるか不安もある。

 「『市民の声を聞け』という声を、この場から上げていきたい」

 14日午後、横浜市役所前。立憲民主党や国民民主党など野党でつくる「カジノ問題追及本部」の大串博志本部長は、集まった誘致反対派の市民との連携に力を込めた。昨年末に発足した追及本部が初の現地視察の場に横浜を選んだのは、「市民の意思に背く形で強行推進している」(大串氏)からだ。

 市がIRの候補地とする横浜港・山下ふ頭などを視察し、「カジノを成長戦略にする安倍政権の考え方自体が間違いだ」と主張。秋元司衆院議員の再逮捕と重なって多数のメディアも駆け付け、無所属の江田憲司氏(衆院8区)は「横浜の反対運動を全国に知らせることができた」と満足げに語った。

 市民による誘致反対運動が展開されるさなかに開会する通常国会。統一会派を組む野党各党と共産党はIR整備法の廃止法案を20日に提出し、整備阻止に向けた国民世論を喚起する方針だ。

 これに対し政府側は、あくまでも推進姿勢を維持する考え。菅義偉官房長官(衆院2区)はIRについて「日本が観光立国を目指す上で必要。今回の事件とは明らかに次元が違う」と整備の意義を強調。秋元議員に対する収賄容疑に関しては、「IR以前の問題」と反論している。

 ただ、共同通信の世論調査でIR整備見直しを求める回答が7割に達するなど、政府には逆風が吹く。立民の福山哲郎幹事長は「消費税が上がる中で国会議員がカジノで私腹を肥やしていた。2020年は政変の年にしたい」と息巻き、成長戦略の柱が揺らぐ安倍政権を一気に追い込む構えだ。

 しかし、野党統一会派内にも不安要素はある。IRの問題点を巡る論戦が終始低調に終わった昨年の臨時国会を振り返り、ある議員は「IR推進の企業から支援を受けている議員もいるようだ」と統一会派内の足並みの乱れを吐露。野党間では18年の整備法成立時も、付帯決議を巡り立民と国民は対応が分かれた。

 別の議員は通常国会を前に漏らす。「カジノは阻止したいが、会派内の温度差が目立つことにならなければいいのだが」


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