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スマホ禁止一転、授業で活用 県立高全校に環境整備

社会 神奈川新聞  2020年01月20日 05:00

 県教育委員会は、生徒が私物のスマートフォンを授業で活用できるシステム環境を県立高校全144校(中等教育学校を含む)に整備した。これまではスマホの持ち込みや校内での使用を禁止するケースが多かったが、97%超の生徒が保有している実態を踏まえ有効活用する方向に転じた。高性能のスマホを活用し、授業の効率化や生徒の習熟度向上につなげるのが狙いだ。全校での環境整備は都道府県で初めてという。


生徒が保有するスマートフォンを活用した授業=県立生田高校(県教委提供)
生徒が保有するスマートフォンを活用した授業=県立生田高校(県教委提供)

 教育現場でのICT(情報通信技術)導入を進める県教委は昨年9月までに、全県立高の普通教室に無線LANや光回線を新設。個人保有の端末を利用するBYOD(Bring Your Own Device)環境を整えた。学習用の低価格ノートパソコンも各校に82台、計約1万2千台導入した。

 スマホやタブレット端末を授業に活用することで、理解度を問うアンケートや小テスト、英語スピーチの録音・提出、実験や表現活動の記録などの効率化を図れるとしている。環境が整った高校ではスマホを活用した授業を順次導入しており、教員の研修も推進。回線使用料は学校が負担し、スマホを保有しない生徒にはタブレット端末などを貸し出すという。

 BYODの取り組みは2017年度から18年度にかけ、県立高14校をモデル校として実施してきた。生田高校(川崎市多摩区)では、【1】毎日スマホを持参する【2】充電は自宅で行う【3】ウイルス対策は各自で行う─といった基本ルールを設定。授業中に黒板の内容をスマホで撮影できる一方、会員制交流サイト(SNS)への投稿や動画配信は禁止した。


スマートフォンを使った学習のイメージ(県教委提供)
スマートフォンを使った学習のイメージ(県教委提供)

 試行した結果、生徒が使い慣れたスマホを使うことで自分の考えを相手に伝えたり説明したりする機会が増えた。理科の授業で実験結果の予測や理由をスマホ間のグループで話し合うなど、生徒同士の学び合いが向上したという。

 県教委は「県内の学校はICT環境の整備が遅れていたが、一気に進む」と強調。その上で「授業での活用に慎重な学校もあるが、今やスマホは特別な道具ではなく、文房具のように当たり前にある物。ICTを活用し自分で課題を発見していく学習を通じ、新しい時代に対応できる人材を育成したい」としている。


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