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県農業協同組合中央会・連合会 長嶋喜満会長
展望2018(8)農業の維持へ日々改革

経済 神奈川新聞  2018年01月18日 11:12

ながしま・よしみつ 2011年にさがみ農業協同組合(JAさがみ)代表理事組合長、14年から同組合会長。JA県中央会では11年に理事、14年に副会長、17年6月から現職。JA全農かながわなどの会長も兼任する。東京農業大学卒。藤沢市在住。66歳。
ながしま・よしみつ 2011年にさがみ農業協同組合(JAさがみ)代表理事組合長、14年から同組合会長。JA県中央会では11年に理事、14年に副会長、17年6月から現職。JA全農かながわなどの会長も兼任する。東京農業大学卒。藤沢市在住。66歳。

 政府主導の農協改革が進む中、昨年は諸外国との通商政策にも動きがあり、今年も農業に注目が集まりそうだ。県農業協同組合中央会・連合会の長嶋喜満会長に、自己改革に懸ける意気込みを聞いた。

 -2017年6月に会長に就任した。昨年を振り返って。

 「多くの方からの期待を感じると同時に、重責を担っていることを感じる1年だった。これまで組合員をはじめ准組合員・利用者・地域住民の生活に直結する事業を展開してきたが、今後もグループ一体となって取り組まなければ、という気持ちを新たにしている」

 -自己改革の進捗(しんちょく)状況は。

 「JAの存在意義は『食と農を基軸として地域に根ざした協同組合』。組合員に頼られ、地域社会に貢献できる組織になれるよう取り組んでいる。『営農・経済改革プラン』を各JAで策定し、その実践を通じて農業の担い手の所得向上に取り組んでおり、成果も出始めている。18年度は自己改革の取り組みを一層加速化させ、JAが組合員や地域にとって“なくてはならない”存在であることの理解を求めていきたい」

 -政府主導の農協改革に対してどう考えているか。

 「政府の示す『農協改革集中推進期間』である19年5月までの間に、自己改革を徹底し結果を示せるよう最大限努めている。ただ、規制改革推進会議においては、農業の現場や地域の課題を理解して議論されているのか疑問だ。県選出の国会議員にも農業の現場を把握してもらえるよう働きかけると同時に、積極的な情報交換を行っていく」

 -欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)、米国を除く11か国による環太平洋連携協定(TPP)の発効を見据えた対策は。

 「特に畜産関係への打撃が大きいだろう。畜産農家が廃業してしまうと、肥料の供給が減少するなど、県内の農家全体へも影響する。17年4月には『営農サポートセンター』を立ち上げ、組合員の相談を受けている。また、農機具のリース事業なども行っている。さまざまな側面から組合員を支援していきたい」

 -長期金利の低下による経営基盤への影響は。

 「事業総利益の7割を信用事業総利益が占める本県のJA収支への影響は大きい。信用事業、共済事業、販売・購買事業それぞれにてこ入れを行い、多くの方に利用してもらうための取り組みを進めていく」

 「また、今後は各JAで監査費用などのコスト増が見込まれる。事業の共同化や一体的運営、合併など、組織の再構築に向けた検討も行っていく」

 -今後のJAの役割をどう考えるか。

 「食料供給のみならず、自然環境の維持などさまざまな役割を担っている農業の維持・振興に今後も努めたい。また新規就農者や、農業分野に参入してきた民間企業と既存の農家を取り持つのもJAの役割。『日々改革』という気概を持ち、時代の変化に対応していきたい」


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