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時代の正体 差別のないまちへ
脅迫はがきの影響か 川崎市ふれあい館で利用者が減少

社会 | 神奈川新聞 | 2020年1月17日(金) 21:00

共生社会の実現など設置の目的が記された川崎市ふれあい館条例
共生社会の実現など設置の目的が記された川崎市ふれあい館条例

 川崎市の多文化交流施設「市ふれあい館」(川崎区)に在日コリアンの虐殺を宣言する脅迫はがきが届いた問題で、同館の利用者が急減していることが17日、市への取材で分かった。年明けからの13日間で前年と比べて508人少なく、そのほとんどが子どもの利用という。ヘイトクライム(差別に基づく犯罪)の実害が数字からも浮き彫りになった格好だ。

 「在日韓国朝鮮人をこの世から抹殺しよう」「残酷に殺して行こう」などと書かれた年賀状が届いていたのは年末年始の休館が開けた4日。市によると、4~16日の来館者は計1681人で、昨年同時期の2189人に比べて23・8%減った。この間の祝休日数など昨年と今年で開館状況に変化はないことから、異例の減少は脅迫はがきの影響が大きいと思われる。

 同館は1988年、日本人と在日コリアンを主とする外国人の市民が触れ合い、共に生きる地域社会を築くために市が開設した。子ども文化センターと社会教育施設の機能を併設し、社会福祉法人「青丘社」が指定管理者として運営。今年も例年通り、年明けから餅つきといった行事のほか、人権尊重学習講座や外国にルーツのある子どもたちのクラブ活動なども行われている。

 市青少年支援室は「利用者に不安を与え、利用に支障を来す可能性のあるはがきが届いたことは遺憾。安心して利用できるよう警察や指定管理者と連携して対応していく」と話す。差別の解消、マイノリティーの人権尊重を目的にした館の利用落ち込みは人権状況の後退につながることから、市人権・男女共同参画室は「はがきが原因であるなら『差別のない人権尊重のまちづくり条例』を制定した直後にあって、良くない状況が進行している」との認識を示す。

 脅迫はがきを巡っては、安全・安心を求める地元町内会から市と市議会に対し、差別を非難する声明を出すよう要望がなされている。

 
 

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