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「日本軍慰安所マップ」を公開 女たちの戦争と平和資料館

社会 | 神奈川新聞 | 2020年1月16日(木) 11:57

 日本軍の慰安婦制度に関する資料を収集、展示しているアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam、東京都新宿区)は15日までに、戦時中に日本軍が設置した慰安所の所在地を示す「日本軍慰安所マップ」を、インターネット上で公開した。2009年に作製したものを改訂して新たな情報を追加し、証言や各国の公文書などの裏付けとなる資料も一目で分かるように掲載した。wamは「すべての世代の日本人にマップを見て事実を知ってほしい」と話している。


インターネット上で公開された日本軍慰安所マップ(c)wam
インターネット上で公開された日本軍慰安所マップ(c)wam

 マップでは、調査が行われたり、被害者が名乗り出たりしたアジア太平洋の23の国・地域について、日本軍が慰安所を置いた地点を表記。また、各地点について、根拠を示す資料とその記述を分かりやすく掲載した。掲載された資料は、慰安婦にされた女性の被害証言や兵士の回想録、目撃証言のほか、日本軍や政府関係の資料、連合軍作成資料、被害国の実態調査といった公文書で構成され、データ数は数千に上る。

 慰安所が設置された地域は日本をはじめ、ロシア、中国、パプアニューギニア、インドネシアなど日本が侵略、占領したアジア太平洋全域に広がる。wamの渡辺美奈館長は「慰安所の被害形態は、現地の戦場の状況などでも違っている。マップを手掛かりに、wamにもぜひ足を運んで『慰安婦』制度を知ってほしい」と話す。マップは学生などによる研究にも役立ててほしいとしている。

 wamは、市民らが調べていた情報をまとめ、旧版の慰安所マップを作製した。その後、新たな証言が出てきたほか、公文書なども見つかったため、そうした根拠資料とひも付けたマップをインターネットに公開しようと、およそ3年半かけて取り組んだ。「日本軍が設置・運営した『慰安所』こそが軍による組織的な性奴隷制であり、諸外国での戦時性暴力とは異なる日本軍の犯罪の特徴」であるとして、旧版に含んでいた日本兵による強姦(ごうかん)事件の発生場所や企業慰安所の場所を含めなかったという。

 日本軍慰安所マップのウェブサイトはhttps://wam-peace.org/ianjo/

 
 

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