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発達障害、育児の悩みを回答 川崎市自閉症協会代表理事が書籍出版

社会 神奈川新聞  2018年01月11日 14:04

著書を持つ明石洋子さん=川崎市川崎区
著書を持つ明石洋子さん=川崎市川崎区

 川崎市自閉症協会代表理事の明石洋子さん(71)=川崎区=が、発達障害のある子の子育ての悩みにQ&A方式で答える本を出版した。知的障害を伴う自閉症がありながら、公務員試験に合格し市職員として働く長男徹之さん(45)を育てた経験を踏まえ、子どもの自立につながる実践的なアドバイスを分かりやすくまとめた一冊だ。

 明石さんは、自閉症の研究や療育が乏しい40年前に、力で押さえ込むのではなく、徹之さんの思いや自己決定を尊重した育児を実践したことで知られる。障害者福祉の分野で活躍した人に贈られる糸賀一雄記念賞も昨年11月、当事者として初めて親子で受賞した。

 明石さんの4冊目となる著作は「思いを育てる、自立を助ける」(A5判176ページ、1944円、本の種出版)。発達障害には特定の物事に強いこだわりを示す自閉症や落ち着きがない多動性障害などがあるが、その子育てに悩む親からの34の相談に答える形でまとめた。

 わが子の障害を受け入れる親の心構えや地域との関わり方を説く「ありのままに地域で生きる」と、日常生活に最低限必要な力を育む「思いとスキルを育てる」の全2章で構成した。


 相談事例は「パニックは障害のせいで仕方ないのですか」「人と関わる心地よさを教えたい」「食事中は『席を立たない』を教えたい」「夫と祖父母が障害と認めず、受診に反対します」「超多動でご近所で迷惑ばかり。いっそ家に閉じ込めてしまいたい」などを列挙。明石さんが市の相談支援専門員を務める中で多く寄せられた相談を参考にしたという。

 明石さんは本書で、発語が遅く多動だった徹之さんの「障害を治そう」と奮闘した時期のつらさも振り返りつつ、障害をありのまま受け止めた時に肩の力が抜け、子育てが楽しくなった経験を披露。一方で自立のスキルを育む上で周囲の適切な配慮が必要とし、保護者がパイプ役となって、地域社会に理解者を増やしていく努力の大切さも説く。

 繰り返し言及しているのが「自己決定の尊重」。当時の専門家から「できない」と言われながら明石さんが根気強くこだわった点だ。「自立への原動力は『自分で自分のことを決めること』」とし、カードや写真などを使って選択する機会を重ね、自己決定できる意思を育てていく必要性を力説している。

 明石さんは「自らの意思が働いたことには本人が納得する。納得しているから力も発揮できるし、我慢もできるようになる。パニックも減る。思いや意思を育てることが子育て。発達障害のあるお子さんの子育てに悩む親御さんに手を取ってもらえればうれしい」と話している。問い合わせは、本の種出版電話03(5753)0195。


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