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山間部 公共の足をどう守る

政治行政 神奈川新聞  2018年01月06日 11:49

牧野地区で使われている乗り合いタクシー
牧野地区で使われている乗り合いタクシー

 相模原市緑区の山あいに位置する牧野(まぎの)地区の住民が、公共交通機関存続の危機に直面している。路線バス縮小後の代替交通である乗り合いタクシーも立ちゆかずに取りやめになる可能性が高まり、住民自らが白ナンバーの車で有償で人を輸送する「公共交通空白地有償運送」方式を含め、新たな公共交通を模索する検討会をスタートさせた。期限は約1年3カ月後に迫っている。

乗り合いタクシーも存続の危機



 市交通政策課によると、同地区では市が赤字を補填(ほてん)する生活維持確保路線として路線バスを運行している。だが、収支率が極端に悪いため2014年10月から、平日午前は通学需要の2本だけを残し、土休日はすべて廃止した。

 代替交通機関として、市が委託した業者が時刻と停留所を決めてワンボックス車で巡回し、JR藤野駅からの路線バスが通る県道76号の「赤沢」か「やまなみ温泉」バス停まで運ぶ乗り合いタクシーを導入した。予約で走る方式で3年間の実証実験を行い、1便当たりの輸送人員1・5人以上、稼働率50%以上を継続条件とした。


 17年9月までの3年間で、1便当たり輸送人員は1.8~2.1人で条件を満たしたが、稼働率は29~30%台で条件に届かなかった。乗り換えの手間がかかり、本数も少ないため駅近くの診療所などに通うお年寄りが使いにくかったという。

 市は牧野地区を篠原(しのばら)地区と菅井地区に分け同11月、それぞれ住民による公共交通検討会を発足させた。

 藤野駅まで約7キロに位置する篠原地区では同月30日、初会合を開いた。後藤浩成・同地区検討会副会長は「住民は駅やスーパーマーケットまで直行できる交通機関を望んでいる。お年寄りが近所の人の車に乗せてもらう助け合いもあるが『もし、事故でもあると近所同士が気まずくなってしまう』との声もあり、システムとしての交通機関が必要。地元自治会にとって最大の課題だ」と話す。

「白ナンバー運送」浮上


 バスでも乗り合いタクシーでも赤字がかさみ過ぎるという厳しい状況の中で浮上してきたのが「公共交通空白地有償運送」。

 NPOなどの地域住民が運行主体となり、営業用の緑ナンバーではなく自家用の白ナンバーのままで、営利目的とは認められない程度の金額を受け取って住民の輸送を行う方式。全国ではいくつかの運行事例があるが、県内で運行されている例はないという。

 同地区のNPO法人「篠原の里」が運営主体になるアイデアも出されているが、運転手や配車センター機能の確保などハードルは高い。現在は、乗り合いタクシーの便数を減らし19年3月まで暫定運行している。今後、検討会で話し合いを重ねて合意形成を行う必要があるが、残されている時間は長くない。


相模原・牧野地区
相模原・牧野地区

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