秦野市内で江戸時代から続く小正月の伝統行事「あくまっぱらい」が11日、同市西地区の堀西と北地区の横野で行われた。堀西では幼稚園児から小学6年生まで約30人が参加し、各家の無病息災と家内安全を祈った。
子どもたちは鈴と太鼓をにぎやかに鳴らし、獅子舞と共に午前10時10分ごろ、天津(あまつ)神社を出発。各家の前を塩で清めた後、獅子頭で住民の頭にかみついたり、「あくまっぱらーい、あくまっぱらーい」と声を張り上げたりし、住民からお小遣いをもらった。
市生涯学習課によると、あくまっぱらいは、市内に伝わる道祖神祭りの別名。かつては市内の西部や南部などで広く行われていたが、少子化に伴い多くが途絶えたという。13日には上地区の菖蒲(しょうぶ)でも行う。
堀西であくまっぱらいに参加し、獅子舞に入った市立西小6年の西田千夏さん(12)は「歩いて足が疲れたけど、みんなと話したり、家を回ったりして楽しかった」と満足げだった。波多川(はたがわ)子ども会会長の瀬戸喜世孝さん(45)は「市内では数少ない行事なので、子どもたちがやり方を覚えて次の世代に継承し、続けていってほしい」と期待を込めた。