鎌倉市内で地元の漁協や福祉事業所などが連携し、多様な魚や貝が育つ藻場の保全に取り組んでいる。障害者らが海岸に打ち上がった海藻を集めて繁殖に適したものを選び、それを漁師が海中に戻し新たに育てていく試みだ。関係者は「力を合わせ、地元の海の資源を大切にしていきたい」と話している。
「海の生命のゆりかご」ともいわれる藻場の保全に力を注ぐのは、鎌倉漁業協同組合と、市内の3福祉事業所などで発足した「鎌倉漁業協同組合と海のSDGsを実行する会」。水産庁の水産多面的機能発揮対策交付金(約100万円)を得て進めている。
藻場再生の仕組みはこうだ。市内の海岸で収集した海藻の中から、専門家の指導で、胞子を持ち、繁殖に適した「母藻」と呼ばれるものだけを分別。その後、漁師が重石(おもし)とともにネットに入れて海中に戻し、新たな海藻に育てる。