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平成の「会社人間」舞台で描く 12日から若葉町ウォーフ

話題 神奈川新聞  2020年01月10日 05:00

新作公演の見どころを語る佐藤さん(左)と龍さん=横浜市中区
新作公演の見どころを語る佐藤さん(左)と龍さん=横浜市中区

 平成の時代を駆け抜けた「会社人間」の姿を通じて現代社会を見つめる舞台劇「会社の人事 歌なき平成の歌/令和アンダーグラウンド」が12日から、横浜の下町・若葉町の民間アートセンター「若葉町ウォーフ」(同市中区)で上演される。文筆家・犬井邦益さんによる新作書き下ろし。演出を担う劇作家の佐藤信さん(76)は「ウォーフならではの新鮮なエンターテインメントを届けたい」と話す。

 若葉町ウォーフは2017年、国内外の若手アーティストが作品を創造、発表する拠点として開館。佐藤さんや本作にも出演する俳優の龍昇さん(67)らが中心となって運営する。

 築50年の3階建てビルを改装した施設は44席の小劇場のほか、稽古ができるスタジオや宿泊スペースを併設。演劇や舞踊、音楽、美術といった多彩な芸術作品を発信している。

 舞台劇は、主催する若葉町ウォーフが制作した初の演劇作品。定年退職の日を迎えた1人の男が川のほとりのバーに迷い込み、今は亡き同僚たちと会話を繰り広げる。過去や未来へと時が行き来する異空間で、変わりゆく社会や人々の意識を立ち上らせる。

 「芝居は消えてなくなるものだが、記憶には残り続ける。20年後も『あの場面が面白かった』と思い返されるような舞台にしたい」と佐藤さん。再演を重ねることで一つの作品を深めていくのが信条だといい、本作も「若い劇団や作家がこの先の物語を創っていってくれたら」と期待する。

 若手アーティストらに劇場や稽古場を貸し出しつつ、年間10以上の主催事業を企画するなど、切れ目なく活動を続ける若葉町ウォーフ。アジアで活躍する芸術家との交流も活発で、今年はインドネシアの人形劇団の公演や中国・重慶の民間芸術施設と共同の写真展を開く予定だ。

 「若葉町はもともと、海外出身者をはじめ多様な人が集まる魅力的な場所。この空間を生かした新しい形のエンターテインメントを提供していきたい」と佐藤さん。この舞台劇も、他にはないタイプの芝居だと自信をのぞかせた。

 20日まで(16日休演)。チケット3500円。予約・開演時間などの問い合わせは若葉町ウォーフ電話045(315)6025。


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