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春高バレー集大成の舞台で輝け 県内4代表紹介

スポーツ 神奈川新聞  2017年12月29日 12:21

 バレーボールの第70回全日本高校選手権(春高バレー)は来年1月4日に開幕し、同8日の男女決勝まで東京体育館で熱戦を繰り広げる。神奈川からは男子の荏田(5年連続5度目)と弥栄(5年ぶり4度目)、女子の大和南(13年連続14度目)と伊勢原(3年ぶり17度目)の4校が出場する。

 弥栄、大和南、伊勢原が4日の1回戦から登場し、荏田は5日の2回戦から挑む。弥栄は都城工(宮崎)、大和南は松商学園(長野)、伊勢原は中越(新潟)と顔を合わせる。荏田は相馬(福島)と別府鶴見丘(大分)の勝者と当たる。全国の頂点を目指す4校の主将に集大成の舞台に懸ける思いを聞いた。


セッターとしてゲームをコントロールする荏田の井上拓真=荏田高
セッターとしてゲームをコントロールする荏田の井上拓真=荏田高

荏田・主将井上拓真 忍耐力武器に勝ち進む


 鮮やかなトスから攻撃の花を咲かせるセッター。荏田の主将・井上拓真が誓うのは、5年連続5度目の出場となる今大会での春高初勝利だ。

 「忍耐力は誰にも負けない」と力を込める。横須賀・大矢部中時代は県選抜チームの主将も務めた逸材は、地道な努力を欠かしたことはない。


 三浦市内の自宅から、朝練のある日は始発電車で登校する。練習の虫は仲間にも認められ、前回は2年生でベンチ入り。大きな自信につながったという。

 厳しさを向けるのは自分だけではない。「試合より苦しい状況でプレーできるか」。ゲーム形式の練習でも、マンマークのブロックのプレッシャー付きで行うことで、重藤、菊永、清水のアタッカー3本柱の攻撃を強化してきた。齋藤雅明監督(50)も「井上にトスの難度を求めることで周りも伸びてきた」と主将が与えた好影響を実感する。

 今夏のインターハイで前回大会3位の千葉・習志野に敗れて以降は、強豪チームとの合同合宿を重ね「全国レベルをイメージしてきた」と絶えずむちを打ち続けた。「一つ勝つだけがゴールじゃない。さらに上を目指す」と背番号1は大きな夢を抱いている。

いのうえ・たくま 175センチ、66キロ。大矢部中出身。セッター。


エースとして弥栄の攻撃を支える内田大希=弥栄高
エースとして弥栄の攻撃を支える内田大希=弥栄高

弥栄・主将内田大希 跳躍力生かすスパイク


 「春高を終えたら競技から退きます」。弥栄のエースで主将の内田大希の口から思いもよらぬ言葉が漏れた。女手一つで支えてくれた母・尚美さんを思い、大学では教員免許取得に専念するため今回が「人生最後の大会」になるという。

 幼い頃から、バレーボールに触れていた。家庭婦人バレーに励む母の影響で競技を始め、大沢中3年時には県中学選手権で準優勝を飾った。


 「跳べて打てる選手。この子がうちにいれば3年後に必ず全国にいける」と県中学総体でのプレーを見ていた山下裕之監督(33)が“ひと目ぼれ”し、内田も「弥栄で、荏田や橘に勝って全国に行きたい」と受験を決めたという。

 身長175センチ。全国の強豪高のエースと比べ、高さは無い。だが、最高到達点325センチの跳躍から繰り出すスピードあるスパイクは「180センチ以上の選手にも見劣りしない」と山下監督は言う。内田は「小さい選手でも大きい選手に戦えると示したい」と熱く語る。

 負ければ最後となる大会で目指すはベスト4。大きく羽ばたきたいエースは言う。「これで最後なので、悔いを残したくない。神奈川で勝ち上がったプライドを胸に春高で勝ち進みたい」

うちだ・だいき 175センチ、67キロ。大沢中出身。レフト。


臨機応変に攻撃に色をつける大和南の佐藤未羽=大和南
臨機応変に攻撃に色をつける大和南の佐藤未羽=大和南

大和南・主将佐藤未羽 勝利にこだわりプレー


 挑むからには立たなければならない場所がある。前回大会の準々決勝で散り、届かなかった東京体育館のセンターコート。1年から春高の舞台を経験してきた大和南の主将・佐藤未羽は強い使命感を抱く。

 港南台一中時代、関東大会で初戦敗退。「全国を知らない自分はとにかくレギュラー入りが目標だった」。中学時代に県選抜で全国を経験している同学年のエース若松と比べ、「スキルがない」と悩んだ時期もあった。


 それでも井上和昭監督(54)から献身的なプレーと冷静な判断力を買われ、戦況を的確に読み取り、スパイクや安定したレシーブで貢献するレフトへと成長した。

 昨年は絶対的エースで主将の宮田あかり(松蔭大)が目立っていたが、指揮官は「粘り強く、厳しい練習を誰よりも率先する黒子のような主将が、今年はいる」と評価する。佐藤も「苦しいときの安定剤になりたい」と役割を自覚する。

 勝ち進めば3回戦で、前回負けを喫した下北沢成徳(東京)と対戦する可能性がある。「最後まで気を抜くことなく、最後まで勝利にこだわってプレーしたい」。ずっと夢見てきたセンターコートまで一気に駆け上がる。

さとう・みう 168センチ、62キロ。港南台一中出身。レフト。


献身的なプレーでチームを支える伊勢原の北村果穂=伊勢原高
献身的なプレーでチームを支える伊勢原の北村果穂=伊勢原高

伊勢原・主将北村果穂 上を目指し臆せず戦う


 伊勢原の応援席に掲げられる「チャレンジャー」の横断幕。その言葉通りコートで真っ向勝負を挑んできた主将の北村果穂は「どんな相手も臆することなく戦う」と大舞台をにらむ。

 そんな主将は、二つ上の姉・かすみの存在を目標にしてきた。伊勢原が18年ぶりに春高出場を果たした3年前のメンバーの姉からは「自分たちは県内の大会では味わえない熱気にのまれてしまい、初戦敗退した。もっと上に行ってほしい」と託されてきた。

 2年前の春高県予選準決勝のコートには姉妹で立つも、優勝した橘に敗退。21年ぶり出場となった今夏のインターハイは、姉が手作りしたミサンガを右手につけて臨んだが、勝利は手にできなかった。


 練習では「感情的になってすぐに涙を流す」というが中坂慎次郎監督(36)は「泣き虫も熱くガッツがある証拠。伊勢原にぴったり」とたたえる。仲間思いで「個人で勝利をつかむチームじゃない」と部員38人のコミュニケーションを活性化。伝統のコンビバレーも強化された。

 開幕を前に姉の言葉がよぎる。「終わるのは一瞬。長く戦ってほしい」。まずは1勝をつかみ、下克上を果たしにいく。

きたむら・かほ 164センチ、59キロ。二宮西中出身。レフト。


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