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刻む2017〈15〉悪質な運転二度と 東名高速で夫婦死亡事故

社会 神奈川新聞  2017年12月26日 09:24

東名高速道路下り線の事故で移動される車両=6月、大井町(車のナンバーを画像加工しています)
東名高速道路下り線の事故で移動される車両=6月、大井町(車のナンバーを画像加工しています)

 理不尽な怒りに端を発したとされる東名高速道路での夫婦死亡事故の取材を進めるたびに、疑問や憤り、悲哀がない交ぜになっていったのを覚えている。

 一連の報道を契機に、悪質な運転は社会問題として広く認知されるようになった。全てのドライバーが自らの運転マナーを見直すきっかけになれば、と願わずにはいられない。

 事故は6月5日午後9時35分ごろ発生した。

 捜査関係者や起訴状などによると、大井町の東名高速道路下り線で乗用車を運転していた男は、静岡市に住む一家のワゴン車の進路をふさぎ、追い越し車線に停車させた。そこに後続の大型トラックが突っ込み、夫婦2人が死亡、娘2人らがけがを負った。

 きっかけは、ささいな一言だった。

 現場から約1・4キロ手前の中井パーキングエリア。車路に車を止め、外でたばこを吸っていた男は、すれ違いざまに、亡くなった男性から「邪魔だ」と注意されたことに腹を立てた。

 ワゴン車を追走して、その前方に割り込み、減速して自分の車を接近させた。逃れようとして3回車線を変更したワゴン車に対し、男は執ように同じような行為を繰り返したという。

 大型トラックが追突したのは、男と一家の車が停車した約3分後。車外にいたとみられる夫婦は命を落とした。

 「邪魔だと言われ、かっとなって追い掛けた」。男は逮捕前の任意の聴取にこう話したという。
 

映 像


 「やれることは全部やった。本当に難しい事件だった」

 捜査員にそう言わしめるほど通常ではあり得ない事故だった。追い越し車線に2台が停車し、夫婦と男、男の車に同乗していた女性の計4人が車外ではねられた。


 捜査は自動車運転処罰法違反の過失運転致死傷罪ではなく、より刑罰が重い危険運転致死傷罪の適用を目指しスタートしたが、道のりは険しかった。

 県警高速隊と交通捜査課が最初に取り掛かったのは目撃者を捜すことだった。

 料金所のカメラなどから事故前後の時間帯に現場を通った車を特定。持ち主を割り出して連絡を取り、あおり行為や事故を目撃したかどうか、ドライブレコーダーに映像が残っていないかなどを一台一台確認して回った。

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