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全国高校ラグビー
桐蔭 単独Vへ自信 御所実と決勝

スポーツ | 神奈川新聞 | 2020年1月7日(火) 05:00

決勝を前に気合十分の桐蔭学園フィフティーン=神戸製鋼灘浜グラウンド
決勝を前に気合十分の桐蔭学園フィフティーン=神戸製鋼灘浜グラウンド

 第99回全国高校ラグビー大会は7日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で決勝が行われる。全国選抜大会と全国7人制大会に続く「高校3冠」を狙う神奈川代表の桐蔭学園は初の単独優勝を懸け、ともにAシードの御所実(奈良)と対戦する。午後2時キックオフ。

 桐蔭は2大会連続7度目の決勝進出。試合前日の6日は神戸市内で約2時間半、最終調整した。相手が得意とするハイキックへの対処の仕方や、FW陣のセットプレーなどを入念に確認。また素早く相手守備を崩すアタックの戦術を実戦形式の練習で繰り返し、決戦へ向けて集中力を高めた。

「チーム全体で勝つ」浸透

 歴代のフィフティーンが追い掛けてきた夢をかなえるまで、あと1試合。桐蔭学園は決勝の舞台で新たなスタイルを示すつもりでいる。

 「僕たちは(松島)幸太朗さんの代とは違って、いろんな戦い方ができる」。東福岡と栄冠を分け合った9大会前に活躍し、昨秋のワールドカップ(W杯)で日本の8強入りに貢献した松島の世代を引き合いに出し、主将のSO伊藤大は自信たっぷりに語る。

 当時から代名詞の「継続ラグビー」はあくまで「一つの手段」と伊藤大。その司令塔が繰り出すキックで攻撃の幅を広げ、相手に的を絞らせない。過去2大会で惜敗した大阪桐蔭との準々決勝では、伊藤大のショートパントからWTB西川がトライを奪った。

 特定のスター選手に頼らない戦い方も今季のチームの強みだ。登録メンバー30人中、前回の主力は5人と経験は乏しいが、藤原秀之監督(51)は「チーム全体で勝つ」という姿勢を浸透させてきた。中学時代はラグビー未経験者だった190センチ安達らの成長を促して課題の体格差も解消。密集戦でタフになったのも大きい。

 決勝は一進一退の攻防が予想される。御所実はW杯覇者の南アフリカのようにハイボールを蹴り上げてFW陣や突破力の高いバックス陣で再獲得を狙ってくるだけに「簡単に取られると厳しい。(転がる)セカンドボールの争奪が鍵」(藤原監督)。肉弾戦に耐え、少ないチャンスでトライを取り切りたい。

 準優勝3度の相手との一戦は「シルバーコレクター」の汚名返上へまたとない機会だ。「同点では優勝ではないというムードが桐蔭にある。あの時のけりをつけて令和初の単独優勝を果たしたい」と話す伊藤大を先頭に歴史を切り開く。

兄の分まで戦い「金」を
桐蔭育ち 床田3兄弟の末弟・淳貴

 「兄の悔し涙を散々見てきた。もう負けを繰り返してはいけない」。桐蔭学園の副主将・プロップ床田淳貴は人一倍の強い覚悟で決戦のピッチに立つ。


兄2人がかなえられなかった優勝に挑む床田=神戸製鋼灘浜グラウンド
兄2人がかなえられなかった優勝に挑む床田=神戸製鋼灘浜グラウンド

 いずれも桐蔭育ちの床田3兄弟の末弟だ。2013年度は六つ上の裕亮(パナソニック)が、15年度大会は四つ上の聖悟(立大)が、それぞれ決勝で東海大仰星(現・東海大大阪仰星)に惜敗している。床田自身も前回決勝で大阪桐蔭に逆転負けを喫した。

 スクラムで押され、相手のモールを止められなかった1年前のファイナル。痛感したフィジカルの差が床田を奮起させた。藤原秀之監督(51)が「彼の成長なくしてチームの成長はなかった」とたたえるように、今季は「低い姿勢でマイボールをキープする最低限のこと」を徹底。スクラムに安定感をもたらし、強みに変えた。

 毎年夏の合宿は「完走したことはない」と言うほど故障に泣き、昨夏も左腕を骨折した。FWリーダーとして約2カ月間も戦列を離れたことへの責任感と、チームメートへの感謝の思いは強く、長崎北陽台との2回戦で今大会チーム初トライに結実させた。

 次男聖悟は関東大学リーグ対抗戦Aグループ復帰を決め、「次はお前の番だぞ」と背中を押された。「もう家には銀メダルが三つある。末っ子として今回が本当にラストチャンスなので金メダルを持って帰ります」。家族の夢をかなえるため、兄の分まで戦い抜く。

とこた・じゅんき プロップ。東山田中出身。177センチ、98キロ。3年。


 桐蔭学園・藤原秀之監督の話 いよいよ決戦。春よりも御所実さんの防御が良くなったのでミスをしないことが大事だ。相手を崩していくために、攻撃ではボールを動かしていきたい。

 桐蔭学園・伊藤大祐主将の話 御所実はセオリー通りのラグビーが得意。自分たちが賢く戦えるかが鍵になる。主体的なゲーム運びを続け、チャレンジしていきたい。

 
 

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