2020年の東京五輪で初めて実施される自転車競技BMXの「フリースタイル・パーク」で、将来を有望視されている小学生がいる。2019年シーズンの7~9歳部門で、2季連続の総合優勝を飾った川崎市立上丸子小3年の神保虎之介さん(9)=中原区=だ。昨年12月27日に市役所で市長らに優勝を報告し「将来は世界一、オリンピックで金メダルを取りたい」と笑顔で話した。
ジャンプ台を使い、空中での技の難易度を競うフリースタイル・パークは、東京五輪から公式種目になった話題のスポーツ。神保さんは父や兄の影響を受け、4歳から取り組んできた。
後方1回転する「バックフリップ」、ハンドルを握っただけで体を水平に浮かせる「スーパーマン」、サドルを両脚で挟み、両腕をハンドルから離して斜め後方に向ける「チキンウイング」といった大技にもひるまず、次々と決める。物おじしない性格が競技にマッチしたという。
国内3大会の成績で決める今シーズンの年間ランキングで2季連続の日本一に立ったが、躍進の理由は日々の練習にある。
平日は家の前で基礎的な練習を重ね、新横浜にある無料の施設でトレーニング。週末は東京都内の私設練習場所で大技に挑み、藤沢市内の専用のスケートパークで磨きを掛ける。神保さんは「毎回、競技の最初は怖い。でも、ジャンプ台で高く飛ぶのが楽しい」と笑顔で話す。
福田紀彦市長と面談した神保さんは「来年の大会も頑張りたい。そのために近くに(練習場となる)パークがほしいです」とお願いも。母の美幸さんによると、フリースタイル・パークの練習場所が近くにないため、移動に多くの時間を割かれているという。
福田市長は「市としてもエクストリームスポーツの振興に力を入れており、適地を探していきたい」と応じ、「来シーズンは年長のカテゴリーに移るが、いい成績を期待しています」と激励した。