1. ホーム
  2. カルチャー
  3. 子どもの貧困対策に取り組む沖縄 問題解消へ官民連携

子どもの貧困対策に取り組む沖縄 問題解消へ官民連携

カルチャー 神奈川新聞  2017年12月19日 16:45

沖縄子どもの貧困白書
沖縄子どもの貧困白書

 沖縄県子ども総合研究所が「沖縄子どもの貧困白書」(かもがわ出版・2916円)を出版した。編集委員には沖縄大学名誉教授の加藤彰彦=横浜市栄区=らも加わっている。

 翁長雄志沖縄県知事は「子どもの貧困問題の解消なくして、沖縄の将来の希望はない」と同書に記す。同県は2014年に同研究所に委託し、「子どもの貧困実態調査」を行った。全国初の県独自に算出した結果で、子どもの貧困率は全国の13・9%を大きく上回る29・9%。子どもの貧困に詳しい、首都大学東京の阿部彩教授は「全国を励ます沖縄の勇気」と文章を寄せている。

 本書では実態調査を分析し、問題解消へ官民が協力して取り組む姿が描かれている。例えば、貧困層の小学1年生では、57%が経済的支援となる就学援助を利用していなかった。県はすぐにテレビCMや学校の配布書類などによる周知徹底策を実施。地元紙の沖縄タイムス社、琉球新報社も子どもの貧困問題の連載やニュースを積極的に報じ、両社記者らの寄稿もある。

 シングルマザー支援、子ども食堂、学校などでの具体的な取り組みも豊富に紹介。データでみる沖縄も盛り込んだ。「沖縄戦と米軍基地は貧困と苦難の根源」などの項目では、歴史を振り返りながら沖縄の社会構造を考察している。

 加藤は「子どもの貧困対策に誠実に向き合う沖縄の実践は、これからの未来社会を考えるうえで1つの方向性を示すモデル」と記し、一人でも多くの人に関心を持ってもらいたいと願っている。

 かもがわ出版電話075(432)2868。


シェアする