2021年春に開設予定の横須賀港(横須賀市)と北九州港(北九州市)を結ぶ新フェリー航路を巡り、横須賀市と横須賀港を現在利用している事業者との調整が難航している。フェリーが接岸することで、事業者の荷役作業に支障が出る恐れなどがあるためだ。市は「事業者に丁寧に説明を続け、理解と協力を得られるようにしたい。予定通りの就航を目指したい」としている。
地域活性化
市港湾企画課によると、新たなフェリー航路は、「東京九州フェリー」(北九州市)が1万7千トン級の2隻体制で運航する。日曜を除く週6便運航予定で、両港を片道20時間半でつなぐ。予定している同型船舶では、トラックや乗用車を約170台積載でき、旅客定員は約600人。
物流業界のドライバー不足が深刻化し、海上輸送への需要が増す中、市が横須賀港での定期航路を確保するため誘致し、一昨年12月に決まった。主に下り便は宅配便貨物、上り便は農産物や工業製品を運ぶ予定。フェリーを利用した旅行客も期待される。
人、モノの流れが増えることで地域の活性化につながるほか、週6便の利用で港の使用料収入の増加が見込め、災害時の物資の運搬にもメリットがあるという。
手狭な用地
一方、フェリーが接岸する予定の同港新港ふ頭では現在、月に6隻程度の自動車運搬船が出入港し完成した自動車の積み出しのほか、冷凍マグロの荷役が行われている。