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地域の温もり 子の成長支え 春光学園が感謝の餅つき

社会 神奈川新聞  2019年12月31日 12:01

餅つきをするNAVFACFEのドゥウィット司令官(左奥)=横須賀市小矢部
餅つきをするNAVFACFEのドゥウィット司令官(左奥)=横須賀市小矢部

 敗戦間もない頃に開設された児童養護施設「春光学園」(横須賀市小矢部)で、70年以上にわたって地域の手による支援が続いている。ボランティア有志でつくる同園後援会が進学を資金面で支えているほか、地元自治会や奉仕団体、米海軍横須賀基地(同市)の関係者らも運営や催しなどに協力。今月には同園で関係者を招いた餅つきイベントが開かれ、子どもたちが感謝の気持ちを伝えた。

 同園は1945年12月、戦前から戦中にかけてフィリピンや南洋諸島へ家族と共に移住したものの、敗戦後の引き揚げで孤児となった子どもたちの保護を目的として開園された。現在は家庭環境などの理由から親元を離れた子らを受け入れており、2~18歳の63人が生活をしている。

 子どもたちが伸び伸び育つことのできる同園の日常を支えられているのは、地域住民らの力があってこそと、児山秀一園長は語る。

 同園後援会は会費を集め、高校や大学に進学できるようにと資金面で学習を支援。地元の第一衣笠町内会などの地域住民や、市内のライオンズクラブやロータリークラブの会員らは、ピアノや習字を教えたり、洗濯や掃除、未就学児の遊び相手などを務めたりと、協力を惜しまない。


訪れた地域住民らにつきたての餅を振る舞う春光学園の子どもたち=横須賀市小矢部
訪れた地域住民らにつきたての餅を振る舞う春光学園の子どもたち=横須賀市小矢部

 同園は米軍とも関係が深い。食べ物に困窮していた時代に寄付を受けたのをはじめ、交流が長きにわたって継続している。

 同基地に本部を置くNAVFACFE(極東海軍施設技術部隊)も、設立当初から支援してきた団体の一つ。同部隊は基地内のチャリティーイベントなどを通じて寄付金を募り、同園の子どもたちと米軍家族らが交流するイベントを年5回ほど開催してきた。

 今年も楽しいクリスマスを過ごしてもらおうと、今月11日に基地内の将校向けレストランでのクリスマスパーティーに子どもたちを招待。一人一人にプレゼントを贈った。

 こうした日頃の支援への感謝の思いを伝えようと、同園は21日に開いた餅つきに、地域住民、米海軍有志、行政・教育関係者ら約120人を招待。つきたての餅や豚汁など、温かい料理を振る舞った。

 同園の高校3年の女子生徒(18)は「イベントは地域との交流の機会になる。卒園しても、また訪れたい」と笑顔。来年4月からはアルバイトをしながら大学に進学するという。

 初めて餅つきを体験した同部隊のティム・ドゥウィット司令官(49)も「子どもたちが幸せだと感じてくれると、私たちもうれしくなる」とほほ笑む。児山園長は「園で年末年始を迎えることの多い子どもたちにとって、地域との心温まる交流が何よりの楽しみ。今後も力を借りながら子どもたちの自立に向け、力を尽くしたい」と語った。


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