正月の縁起物とされる宝船。横浜市港北区の野菜農家「よこはま小松ファーム」は、2020年の初競りに出荷する野菜の宝船作りに追われている。
野菜の宝船は、新年の五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛を祈願して作られる。以前は各地の農家が市場に出荷していたが、現在、関東圏内で作っているのは、よこはま小松ファームの松本勝彦さん(72)だけだという。
「今年は台風の影響で白菜の生育に不安があったが、ここにきて納得できるものが出来上がった」と松本さん。27日は、ハクサイやキャベツ、コマツナやホウレンソウ、紅色ダイコンなど約20種類の野菜を宝船に盛り付けた。宝船は大きなものだと長さ3メートル、幅1メートルにおよび、野菜を載せると重さ600キロに上るという。
完成した宝船は年明けに横浜市中央卸売市場(同市神奈川区)や豊洲市場(東京都江東区)などに出荷され、デパートやスーパーの店頭などに飾られるという。
松本さんは「宝船は縁起物。来年も商売繁盛になればうれしい」と話している。