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地域の課題、住民目線で洗い出し 三浦市社協が「診断書」

話題 神奈川新聞  2019年12月31日 10:40

「地域診断書」の地域踏査に参加した住民ら
「地域診断書」の地域踏査に参加した住民ら

 三浦市社会福祉協議会が、高齢化が著しい三崎地区の各区ごとに、その地の実情やニーズなどをまとめた「地域診断書」の作成に取り組んでいる。「地域包括ケアシステム」の構築に向けた事業で、今年10月には東岡区を対象とした地域診断書が公開された。5冊目となる今回の作成に当たっては、住民が実情調査に初めて参加。これを契機に参加者が老人会を結成する効果も生まれている。

老人会結成の効果も 実情調査に住民初参加

 地域診断書は、厚生労働省が2025年までに目指している地域包括ケアシステムの構築を踏まえた市社協の独自事業だ。

 地域包括ケアシステムが想定しているのは、高齢者が人生の最期まで住み慣れた地で暮らすため、住まいからおおむね30分以内に医療、介護、生活支援、介護予防で一体的なサービスを切れ目なく届ける仕組み。地域診断書は、その構築には何が必要で、何が課題かなどを区ごとに洗い出している。

 市社協は16年度から作成を手掛け、これまで三崎地区の7区で実施。戸別訪問による住民への聞き取りなどを基に、その区の人口・世帯数の推移、交通、医療機関の情報、区長や民生委員らのインタビューなどを掲載している。

 新たにまとめられた東岡区の地域診断書は、A4版76ページ。東岡町、天神町、城山町の一部で構成される東岡区は約700世帯が居住しており、1人暮らしや夫婦のみの世帯が多いことが特徴の一つとなっている。

 地域課題については、▽支援が必要な高齢者の増加▽日常的な関係の地域格差▽気軽に利用できる居場所のなさ▽入り組んだ路地が多く、坂や階段があり生活がしづらいこと-を列挙。地域の強みも踏まえ、困り事や支え合いに関する情報共有ができる協議体づくりなどを提案している。

 一方、実態把握のための地域踏査はこれまで市社協職員が担ってきたが、今回は区内の住民らにも参加を呼び掛けた。昨年12月から今年3月にかけて、89世帯、48店舗・企業、5団体への調査を50~80代の女性12人と共にした。

 「40年以上住んでいても知らない道がたくさんあった」「交流を深められる場が必要」「調査がきっかけで住民と話すようになった」。参加者からはそんな声が上がり、自分たちの街をあらためて見直す機会になったという。

 具体的な動きにも結び付いている。今回の調査をきっかけに、参加者が6月、老人会を設立した。

 同区では老人会が8年ほど前に役員のなり手不足により解散を余儀なくされていた。新たに老人会を立ち上げた参加者は、住民間の交流を深める場づくりに取り組んでいくという。

 市社協の齋田聖子さんは「今後も住民と取り組み、介護が必要になったり認知症になったりしても安心して暮らせる地域づくりをしていけたら」と話した。

 冊子は400部作成。関係機関に配布したほか、区内で回覧している。市社協のホームページへの掲載、住民と意見交換する座談会の開催も予定しているという。


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