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刻む2019〈11〉
ハマのサッカー熱 ピッチ内外 確かな変化

社会 神奈川新聞  2019年12月29日 10:24

 横浜の街にサッカーの熱気が戻ってきた2019年シーズン。J1横浜F・マリノスが15年ぶり4度目のリーグ制覇を達成し、J2横浜FCも13年ぶりのJ1昇格を決めた。長い低迷を抜け出した両クラブには、ピッチの内外に確かな変化の跡があった。

マリノス


サポーターに現役引退を報告する栗原選手(中央)=7日、横浜市港北区の日産スタジアム
サポーターに現役引退を報告する栗原選手(中央)=7日、横浜市港北区の日産スタジアム

 リーグ戦史上最多、6万3800人の前でマリノスが優勝を決めた7日の日産スタジアム(横浜市港北区)。試合後のセレモニーの最後を飾ったのは、今季限りで引退する元日本代表DF栗原勇蔵選手(36)のスピーチだった。

 「最後にお願いがあります。スタジアムにいる全員で僕のコールをしていただければと思っています。お願いしますよー」

 地元の横浜市出身でクラブ一筋18年。人気選手の呼び掛けに、観客席を埋めたファン、サポーターが惜しみない声援を送る。長い冬の時代を支えた功労者を、15年ぶりのリーグ制覇で送り出す感動的な光景は、これまでのマリノスではあまり見られなかったことだ。

 常にタイトル獲得を義務付けられてきた名門クラブは世代交代の波が激しく、ピークを過ぎた超一流選手が戦力構想から外れることも多い。最後は育ててもらったクラブでキャリアを終えたい─。そんな選手の思いに応えられないジレンマを抱えてきた。

 1993年の「ドーハの悲劇」で知られる松永成立さん。98年のワールドカップ(W杯)初出場に貢献した「アジアの壁」井原正巳さん。そして、2002年日韓W杯で活躍した「ミスターマリノス」の故・松田直樹さん…。

 ことし創設27年目のJリーグで、クラブの歩みは平成期の日本サッカー史そのもの。ただ、彼らは現役最後の瞬間をマリノスで迎えていない。去就を巡ってフロントスタッフと選手側とのコミュニケーション不足が表面化し、サポーターの怒りを買ったこともあった。

 栗原選手もここ数年はレギュラー争いに絡めず、今季のリーグ戦出場はなし。「痛いところは一つもない」というコンディションは問題なかったが、優勝が懸かった7日の最終戦もベンチ入りできなかった。

 かつての名選手と同様、他クラブへ移籍する選択肢もあったが、踏みとどまった理由の一つに黒沢良二社長や編成トップの小倉勉氏の存在を挙げる。「最終的に引退を決断したのは(最終戦の)2、3週間前だけど、今後については何年か前からずっとクラブと話し合ってきた」

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