日本初の女性医師となった荻野吟子(1851~1913年)を描いた映画「一粒の麦 荻野吟子の生涯」が、各地で上映される。
吟子は現在の埼玉県熊谷市生まれ。17歳で結婚したが、夫から移された淋病(りんびょう)が元で離婚。治療に当たった医師が男性ばかりで、自分と同じように羞恥に苦しむ女性たちの力になりたいと女医を目指した。
女性には門戸が閉じられていた医学校への入学や、前例がないと却下された医術開業試験の受験など、諦めずに人々に理解を求め、一つ一つ道を切り開き、34歳で医師として開業した。
10代から60代半ばまでを一人で演じきった吟子役の若村麻由美=写真左=をはじめ、山本耕史、賀来千香子、佐野史郎ら、役者たちの熱演ぶりから、山田火砂子(ひさこ)監督(87)の情熱が伝わる。1時間49分。
1月11日・小田原市生涯学習センター、2月5日・杜のホールはしもと、3月13日・横須賀はまゆう会館ホールで、それぞれ午前10時半と午後2時から上映。チケットは1800円。問い合わせは現代ぷろだくしょん☎03(5332)3991。