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刻む2019〈8〉
箱根警戒レベル引き上げ 二重の災いに翻弄され

社会 神奈川新聞  2019年12月26日 10:36

噴火警戒レベルの引き上げに伴う運休の案内を見つめる外国人観光客=5月19日、箱根ロープウェイ早雲山駅
噴火警戒レベルの引き上げに伴う運休の案内を見つめる外国人観光客=5月19日、箱根ロープウェイ早雲山駅

 「今年を漢字1文字で表現するなら『耐』だ」。今月、箱根町の山口昇士町長に取材すると、そんな言葉が返ってきた。「二つ重なった自然災害に耐え忍ぶ1年だった」とし、そうした事態を「想定外でなく、普通に起こりうることだと思って対応しないといけない」とかみしめるように言った。

 箱根山(箱根町)の噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられたのは、本格的な観光シーズンが幕を開けた5月。警戒レベルが1(活火山であることに留意)に下がった後の10月には、台風19号で千ミリを超える全国最多の記録的な雨に襲われた。

 「箱根山の噴火警戒レベル引き下げという朗報を受け安堵(あんど)したのもつかの間、まさに自然の厳しさを思い知らされた」。台風襲来の約1週間後に発表された町長コメントに、翻弄(ほんろう)された日々に対する実感がこもっていた。

 苦難の一年の始まりとなった5月19日。午前6時すぎ、キャップからの電話で警戒レベルが2に上がったことを知り、大涌谷へ急いだ。

 その時既に、箱根ジオミュージアムや土産物販売店などがある大涌谷園地は立ち入りが禁じられ、箱根ロープウェイは全線で運休。名物の「黒たまご」も製造できなくなっていた。大涌谷に通じる県道は手前の三差路で通行止めとなり、箱根ロープウェイの早雲山駅では、職員が代行バス運行をアナウンスしていた。

 「どれほど緊迫した雰囲気になるのだろう」。箱根の担当になったばかりで初めて経験する事態に不安がよぎったが、強羅駅に向かうと意外な光景が広がっていた。

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