1. ホーム
  2. 経済
  3. トップに聞く 創業者権限残さない

ファンケル 池森 賢二会長(上)
トップに聞く 創業者権限残さない

経済 神奈川新聞  2019年12月23日 05:00

 ファンケル創業者の池森賢二会長(82)が31日付で退任する。1980年に無添加化粧品事業を興してから約40年。今年8月にはキリンホールディングス(東京都)との資本業務提携を発表、事業承継への道筋を付けた。退任を前にしたいま、何を思うのか。

 ─キリンとの資本業務提携を発表してから3カ月。いまの率直なお気持ちは。


ファンケル 池森 賢二会長
ファンケル 池森 賢二会長

 「一言で言うと『ほっ』。ほっとしました」

 ─いつ頃から他社との提携を考えていたのか。

 「日本人男性の平均寿命は81歳。その年齢になったころから『自分が死んだらファンケルはどうなってしまうか』と気になり始めた。私と親族はファンケル株を33%持っていたが、私が死んだら親族は相続税を払うために株を売らないといけない。株主が誰かも分からず、ばらばらに株を持たれたら、社員は非常に不安ですよね」

 「もう一つ、私がいなくなりファンケルの業績が下がるようなことがあったら、社員たちがまた悩むと思った。私が抜けた(2003~12年の)10年間、業績が相当落ちて社員は会社の行く末に不安を感じ、研究者も抜けてしまった。同じことにならないよう『しっかりした会社に株を持ってもらったほうがいい』と最終的に考えた」

 ─当初から提携先は頭にあったのか。

 「全くなかった。年初のファンケルの時価総額は4千億円超。この規模の企業を買収できるのは、売上高1兆円、利益1千億円以上の会社でなければ無理だと聞いた。証券会社からは『高い額で売れるので任せてほしい』という話があり、(フランスの化粧品大手)ロレアルと(スイスの世界最大の食品会社)ネスレからは直接、働き掛けがあった。しかし、会社が売りに出ることがあればブランド価値は落ちる。社員たちが安心できることしか頭になかったので、自分で決めて、自分で折衝するという考えしか持っていなかった」

 ─なぜ、キリンだったのでしょう。

この記事は有料会員限定です。

月額980円で有料記事読み放題/100円で24時間読み放題のコースも。詳しくはこちら


シェアする