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空き調理室で弁当販売 住民に好評、施設遊休化解消にも

話題 神奈川新聞  2019年12月21日 20:36

 三浦市の松輪地区の住民が管理・運営している自治会館「松輪会館」(同市南下浦町松輪)で、地元企業による弁当販売の試みが始まっている。空き時間の多い施設の遊休化を解消しようと企業側が音頭を取り、今夏から誰もが利用できるレンタルキッチンとして稼働させたが、弁当販売はその取り組みをさらに一歩進めたものだ。住民側も地場産品のPRなどにつながればと期待している。


レンタルキッチンとしても活用される松輪会館
レンタルキッチンとしても活用される松輪会館

 弁当の販売を先月スタートしたのは、三浦への移住相談などを手掛けている合同会社「MISAKI STAYLE(ミサキステイル)」(同市三崎)。

 同社などによると、松輪会館は、市が1983年に開設した2階建ての施設。公民館としての役割を果たしてきたほか、約50平方メートルの広さがある調理室は、地元農家が出荷しない野菜を使ったレシピを研究する場などとして重宝されてきたという。

 だが、会館が2011年11月に市から、地元住民で構成する自治組織の松輪区に譲渡されると、資金面から管理人を置いて常時開館することが困難に。次第に利用率が減り、現在は月1回の区の会合と、年1回の避難訓練以外にはほぼ使われなくなった。

 「このままではもったいない。何とか有効活用できないものか」。中でも、調理場はコンロや調理台、ガス炊飯器など充実した設備を備えている。住民らが頭を悩ませている時、会館の存在を知り、アイデアを出したのが同社だった。

 区の承諾を得て調理場を借り受けた同社は清掃などの準備を進め、今年7月に市民や団体、事業者ら誰でも料理教室や新商品の研究開発などに利用できるレンタルキッチン「キッチン松輪」として稼働を開始。今秋からは、利用促進につなげようと同社が直々に弁当作りと販売に月1回の予定で乗り出した。

 オープン初日の11月27日は、豚肉のしょうが焼きなどを詰めた2種の弁当(各700円)計60食が約2時間で完売した。

 区などによると、約400世帯が暮らす区では約7割が漁師や農家。昼食は自宅に帰らずにチェーン店の弁当配達を利用する人が多い。地元で始まった新たな取り組みには「おいしかった」「またやってね」といった好評の声が寄せられたという。

 同社の菊地未来社長(30)は「ゆくゆくは松輪で採れた材料で弁当を作り、地域貢献できる仕組みを構築したい。三浦で新しい事業や弁当屋を始めたい人の後押しができたら」と話す。区役員の鈴木亮さん(61)は「いろいろな活動につながったらうれしい」とし、野菜や魚といった地場産品のアピールの場にもつながることを期待する。

 弁当販売の次回は今月24日で、午前11時~午後2時を予定。配達も受け付けている。またレンタルキッチンは、会館の開館時間(午前10時~午後8時)内の空き時間なら基本的にいつでも利用可。弁当・仕出しとしての利用が6時間5千円で、料理教室が3時間2千円など。問い合わせは、同社電話046(876)8492。


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