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「二重課税」県ピリピリ 政府・森林環境税 1人千円 国税一本化で減収9割超

社会 神奈川新聞  2017年11月25日 02:00

 政府が新設を検討している「森林環境税」の大枠が、24日までに判明した。荒廃が進む森林を管理する財源とし、個人住民税に1人当たり年間千円上乗せして徴収する仕組み。森林面積などに応じて自治体に配分する方向だが、神奈川では県が10年前に導入した「水源環境保全税」と重なる増税となるだけに県民の反発は必至だ。国税一本化となれば負担と配分の不均衡で9割超の減収となり、県は神経をとがらせている。

 政府、与党が2018年度の税制改正に向けて検討している森林環境税は、地球温暖化や災害の防止に森林の機能強化を期待する一方、所有者不明や林業の担い手不足による荒廃を問題視して創設。既存政策では適正管理に限界があるとし、新税の財源を自治体が担う私有林の間伐などに充てる方針だ。

 課税対象は全国の約6千万人で、税収の年間見込み額は総額約600億円。東日本大震災の復興財源とする住民税の超過課税(年千円)が23年度末まで続くことを踏まえ、24年度の導入を目指す。国が市町村を通じて徴収し、私有林の面積や林業従事者数などに応じた譲与税として自治体に配分するとしている。

 しかし、神奈川をはじめとする37府県と横浜市は、すでに水源林保全や地域の緑化を目的とした独自課税を導入済みだ。

 県は07年度から20年間の計画で超過課税措置を実施。個人県民税に納税者1人当たり年間約890円(平均額)の負担を求めており、税収規模は年額約40億円に上る。

 国の新税と同様に間伐などを進める財源のため「二重課税」との懸念は拭えず、県民理解が得られるかは見通せない。また県の試算によると、仮に新税に一本化された場合は年間約45億円の県民負担に対し、森林面積に応じた配分額は約2億円にとどまるという。

 黒岩祐治知事は「もし新税に取って代わられたりしたら、神奈川が進めてきた森林対策は根本から崩れることになり、大変重大な問題だ」と指摘。地方税財源の抜本改革に及び腰な国への疑念もあり、県は全国知事会による要望などを通じて独自課税に影響を生じさせない適正な税の在り方を求めている。


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