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対応策
予知はどこへ 読めぬ巨大地震(中)見えぬ被害軽減の道

社会 神奈川新聞  2017年11月22日 11:47

東海地震と南海トラフ巨大地震の防災対応
東海地震と南海トラフ巨大地震の防災対応

 成功すれば死者は4分の1に-。東海地震の予知では、そんな青写真が描かれていた。津波や崖崩れの恐れがある地域に避難を呼び掛け、鉄道の運行中止や限定的な店舗営業、学校の休校など、市民生活や経済活動に影響を及ぼす各種の規制を組み合わせる計画だったからだ。規制開始の合図は、首相の「警戒宣言」。強制力が強過ぎるとも指摘されてきたこれらの仕組みが実行されることのないまま、予知の試みは終わった。代わって「南海トラフ地震に関連する情報」の運用が始まったが、新たな対応策はまだ定まっていない。

混乱


 〈警戒宣言が発令された時、県や市町村から(1)交通規制、避難勧告、避難指示等、災害の発生を防止したり、被害を軽減するための情報(2)自主防災組織、事業所等の活動要請(3)住民の生活情報として、交通機関の運行状況、道路交通状況、電気、ガス、水道の供給状況、電話の通話状況、食料や生活必需物資の供給状況、学校の対応(4)避難の実施、非常持ち出し品や飲料水の準備、自動車運転の自粛など、住民が実施すべきことの伝達(5)情報の確認、流言の防止、危険物や危険予想地域に対する注意などの情報が流されます。情報を正しく理解し、混乱のない対応を考えておきましょう〉

 静岡県地震防災情報研究所が1999年に発行した「地震ものしりブック」。地震に関する基本的な知識や備えのポイントを記載しているが、東海地震の切迫性や警戒宣言発令時の注意点にページを割いた。被害軽減のために住民や地域、企業が取るべき行動や対応は生活の隅々にわたっている。

 こうも記す。〈警戒宣言が発令されたり地震が起こったりして、これまでの生活のリズムが乱されて、不安定な生活が長引くといろいろなパニックが起こると予想されます〉

 焦りや不安、混乱にデマ。心理面への悪影響も懸念されたが、それでも予知に対する期待が静岡では高かった。

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