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新制度
予知はどこへ 読めぬ巨大地震(上)分かりにくさ否めず

社会 神奈川新聞  2017年11月21日 11:40

東海地震のみを対象とした「最後」の判定会後の記者会見に臨む平田教授(左)=10月30日、気象庁
東海地震のみを対象とした「最後」の判定会後の記者会見に臨む平田教授(左)=10月30日、気象庁

 40年ほど前から続いてきた政府による東海地震の直前予知が「不可能」と否定され、11月から運用されなくなった。世界でも類をみないとされてきた公的な地震予知の仕組みが大きく転換した形だが、代替措置として「南海トラフ地震に関連する情報」という新たな警戒情報の運用が始まっている。今回の見直しによって何が変わり、どこが変わっていないのか。新たな情報に、「受け手」の視点はあるのか-。
 

可能性


 「東海地震に結び付くとみられる特段の変化は観測されていない」

 東大地震研究所の平田直教授は、これまでと同じように淡々と見解を述べた。それはしかし、政府が「実現可能」と位置付けてきた東海地震予知の「終了」を意味する言葉だった。

 10月30日、東京・大手町の気象庁で開かれた「地震防災対策強化地域判定会」後の記者会見。会長を務める平田教授にとってこの日は、東海地震の危険性に絞ってコメントする事実上最後の機会だった。

 気象庁のウェブサイトでは東海地震と判定会について、こう説明されている。

 「いつ発生してもおかしくない状態にある『東海地震』を予知すべく、東海地域の地震活動や地殻変動等の状況を監視しています。また、これらの状況を定期的に評価するため、地震防災対策強化地域判定会を毎月開催しています」

 1979年にスタートした判定会は、この日が378回目。地震予知実現への国民的な期待も背景に、78年に制定された大規模地震対策特別措置法(大震法)に基づいて設置された気象庁長官の私的諮問機関だ。

 東海地震の発生が警戒される静岡・駿河湾を中心に気象庁や国土地理院などが高密度な観測網を構築。同庁職員が24時間態勢で警戒するとともに、平田教授のような6人の地震研究者が判定会の委員となり、毎月会合を開いて異変がないか観測データに目を凝らしてきた。

 気象庁サイトの東海地震の解説ページには、赤字にして目立たせた表現が今も残る。「東海地震は、現在日本で唯一、直前予知の可能性がある地震と考えられています」

身の丈


 専門家が提唱し、国や自治体によって喧伝(けんでん)されてきた東海地震の切迫性と、被害軽減の鍵を握る予知の可能性。しかし、国を挙げて取り組んできた地震の前兆検知に至らないまま長い年月が経過し、「東海地震説」への懐疑的な見方が強まった。

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